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将来の夢はロマンスグレーなおじいちゃん

現役選手としては年長者にあたる三宅。フェンシング界の未来をどのように考えているのか。
「実は、下の世代を育てたいとは特に思っていないんです。ロンドンで一緒にメダルを取った太田雄貴は引退後、日本フェンシング協会会長に就任し、改革を積極的に行っています。では自分には何ができるだろうと考えたときに、練習場の雰囲気だったり、練習メニューだったり、コーチや仲間との関わり方だったり、自然とみんなが続けていけるような、いい環境の整備をしていきたいと思っています」。
三宅はまもなく30歳を迎える。オーシャンズ世代の仲間入りをする今の心境はというと……
「30代には本当にワクワクしています。僕の将来の夢は素敵なおじいちゃんになること。フェンシング界ではもうおじいちゃんですが(笑)、ロマンスグレーの似合う人になりたいですね。いろんな知識や知恵を身につけて、いつか生まれるであろう子供や孫に受け継いでいけるような、素敵なおじいちゃんを目指しています」。
29歳にして老後のビジョンまで描いているとは驚きだが、話がファッションに及ぶと、「テッドベーカーのTシャツが好きで、イギリス遠征に行ったらいつもたくさん買ってくるんです!(笑)」と年相応な一面も。この自称・老剣士がどんな30代を過ごしていくのか、今後の活躍と併せて楽しみで仕方がない。

三宅はつい先日、さっそく有言実行。三宅諒公式YouTubeチャンネル『三宅 諒の履歴書』を開設した。フェンシングの魅力や上達のコツ、食生活やトレーニング方法など、自らの活動を中心に紹介していくという。
記念すべき初回はユニフォーム姿でUber Eatsの配達バッグを背負ったショットからスタートする。実に三宅らしい。
我々はまず、そのバッグを下ろす日を見届けようではないか。
 
七瀬あい=取材・文


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