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口コミの力から、アウトドアブランド「SOTO」が生まれた

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欧米の「アウトドア」に対し、日本の「外」に合った製品作りを目指すことからブランド名が付けられた。
アウトドア製品を手掛けたのは、1990年に小型耐風バーナー「ポケトーチ」を開発したことに端を発している。
この製品は、そもそもハンダ付けや配線コードを束ねるチューブの加熱加工用に開発された。しかし、耐風性の高さを生かし、焚き火の火種や線香の着火に使うキャンパーがじわじわと増加。予想もしていなかったが、彼らの口コミにより、ポケトーチはキャンプ道具として認知を広めていった。
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100円ライターを燃料にする手のひらサイズのポケトーチに続き、ランタンやストーブなどを展開する「G’zシリーズ」もヒット。
思わぬ形でのポケトーチのヒットから2年。新富士バーナーは新ブランド「SOTO」を設立し、満を辞してアウトドア業界への参入を果たした。
自らの目指すべき方向性として意識したのは、欧米ブランドとの差別化と徹底した実用性の追求だった。MADE IN JAPANの強み、そして燃焼器具専門メーカーとして培った知識と技術を活かしたもの作りだ。
ロングセラー商品「レギュレーターST-310」を例にとると、SOTOの製品への取り組みが分かりやすいだろう。
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2008年の登場以来、現在も売れ続けるロングセラー「レギュレーターST-310」。
まず、燃料は日本中で手に入り、経済的なカセットガス(CB缶)を採用した。しかし、CB缶は外気温が低い環境ではボンベ内の圧力が低下し、火力が落ちやすい。
この弱点を克服するために、「レギュレーター」なる機構を組み込むことにした。これは、ボンベ内の圧力変化に左右されることなく、常に一定のガス量を出力できる調整圧機である。
しかし、従来のものでは大きなものになってしまう。アウトドアでの使用を考慮すると、堅牢性に加えて、コンパクト性も必要不可欠。そこでレギュレーターを小型化してバーナー本体へと組み込むための研究が繰り返された。
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工場がある場所は、海沿いの工業用地の一角。実際に足を運ぶと「え? ここで?」という意外な場所で製品が作られている。
このような積み重ねの結果、燃料が手に入りやすく、寒さに強い、しかも軽量かつコンパクトに収納できるストーブが生まれたのである。
同様に、着想から開発、製品化に至るまで、どの新製品も数年単位で根気強くトライ&エラーが繰り返されているというのだから頭が下がる。


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