実店舗での経験から生まれるユニークな提案
立ち上げから数週間が経って“さまざまな発見”があったと内田さんは話す。
「服の採寸ひとつとってもすごく新鮮だし、考えさせられることがたくさんあります。ECを始めてわかった大きな収穫は、これまで実店舗で培ってきた経験を十分活かせるという手応えでした。
お店で実物を見せれば簡単に説明できてしまうことを、いかに自分たちらしい写真と文章に落とし込めるか。そこは意識していますね。小売店は、一日一日が真剣勝負。その感覚を忘れずに、僕らがいつも大切にしている“商品の鮮度”をウェブの世界でも表現していきたい」。
こうした日々の積み重ねがあるからこそ、ジャンティークの店頭はいつも新鮮な空気に包まれているのだと、改めて気付かされる。
「僕が考える鮮度とは、流行を追うことでもなければ、頻繁に情報を更新することでもありません。それはつまり、その時々の気分を大切にしながら、自分たちが本当にいいと思えるモノを紹介し続けていくことです。
中目黒店のECサイトでは、スタッフが選んだ商品のほかに、『内田’s Select』というカテゴリーを設けていて、そこで披露しているコーディネイトはすべて、更新日の当日に考えたものです」。
下の写真がその一部だ。まとめ撮りはいっさい行っていない。
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1980年代のアメリカ製フェンシングジャケット。「男女ともに着用できる一押しのアイテム」。
「当時のリペアが味」だという1930年代のU.S.アーミーのデニムパンツ(22万円)。
36くらいのリーバイスの1st(22万円)。オーバーオールで合わせたスタイリングが新鮮!
身頃の半分がブラウン、半分がインディゴというオーバーオールは1920年代のアメリカ製。
フランスのリネンパンツ(8万8000円)。1900年初期でベルトループが付いた珍しいタイプ。
「数回分をまとめて撮影したほうが効率的でラクかもしれませんが、それだと僕のなかでの新鮮な提案ではなくなってしまう。インスタもそうですが、気分がノッていた投稿は明らかに反応が違います」。
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