——トレンドの影響を受けすぎていないという点も、流行りを常に追いかけるのに疲れた大人にはありがたいですよね。「はい、サンズ バイ D.Oはそんな方たちの支えになれるコレクションだと自負しています。また、僕は古着屋上がりだから、例えばスーツでも年代ごとにラペルの変化とか、素材感や仕立てに違いがあるっていうのをずっと見てきました。
ただ僕のブランド、N.ハリウッドではその時代時代のトレンドに左右されない“無味無臭な服”を目指しています。それはフォーマル、ドレスウェアを現代的に創作するN.ハリウッド コンパイルでも一緒なんですが、ディテールの一つひとつを見れば時代的な要素があっても、全体を見たときにはそれを感じないようなものをつくっているつもりです。
つまりエイジレスなデザイン。特に最近のコンパイルはそれに加え、シルエットもゆったりさせているので楽な着心地を堪能することができるはずです。このアプローチの仕方は、サンズ バイ D.Oの“頭をゼロにしたときに着られる服”にも通じているかなと」。
——尾花さんの想いや熱量を知ると、これまで以上に気になってきました。「ありがとうございます。サンズ バイ D.Oでいえば、アローズの皆さんと一緒に何度もテストを重ねていて、実用性に納得がいかずにお蔵入りになったものも少なくないんですが、だからこそ世に出るものは研ぎ澄まされたものになっていると思います。それも、小松マテーレが生み出す90点の生地に出会えたから。100点と言わないのは、まだきっと可能性があるという希望を持っていたいから。過去を超えられないって、悔しいじゃないですか(笑)」。
考える時間のいらない自分だけのユニフォーム
[1]1万6000円、[2]2万8000円、[3]1万9000円、[4]2万6000円/すべてユナイテッドアローズ&サンズ バイ ダイスケ オバナ(ユナイテッドアローズ&サンズ 03-5413-5102)ファッションデザイナー尾花大輔さんが手掛ける、ユナイテッドアローズ&サンズとのカプセルコレクション。素材の風合いを活かしたセンスの良いプレーンな服を展開する。
[1]身幅ゆったりで、肩の落ちるモックネックカットソーは今季の新型。袖口のパイピングリブがアクセントに。
[2]ボタンレスでフロントポケットもシームに沿わせた、ミニマルなチェスターコート。オーセンティックなシルエットゆえ、汎用性が高い。
[3]ワイドシルエットのクリース入りイージーパンツ。右のポケット内にはキーチェーンなどが装着できるループが付く。
[4]ノッチドラペルのジャケットもやはりボタンレス。裏地も付かない楽々設計で、その着心地はまるでカットソーのよう。
西崎博哉(MOUSTACHE)、河津達成(S-14)、渡辺修身=写真(人物) 鈴木泰之=写真(静物) 菊池陽之介、星 光彦、平野俊彦=スタイリング yoboon(coccina)、MASAYUKI(The VOICE)=ヘアメイク 髙村将司、増山直樹、今野 壘、谷中龍太郎、菊地 亮、増田海治郎=文