旧石器時代の食事で痩せる？ 現役キックボクサーが噂のダイエット法を試してガッテン

「俺のカラダで試してみます？」とは……
「巷でウワサのダイエットは本当に効くのか？」。
この疑問に答えるべく立ち上がった男がいる。現役キックボクサーの丹羽圭介さん（36歳）だ。ダイエットが趣味と豪語するこの男が、自らの体で人体実験しながらその効果を検証する。
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「俺のカラダで試してみます？」という丹羽さんのひと言から始まったダイエット企画は、今回からいよいよ本番に突入。
極限まで鍛え抜かれたバキバキの体も、たった２週間の暴飲暴食で、ユルユルのオッサン体型に激変。写真で見るとこんな感じだ。

丹羽さんのぽっこり出た腹は、ダイエットで引っ込むのか？ いざ検証！

旧石器時代の食事法を実践!?

今回、丹羽さんが実践するのは、糖質制限ダイエットのひとつ「パレオダイエット」だ。
「パレオ」とは、英語のパレオリシック＝旧石器時代の略。農耕を開始する前の時代の食生活を参考にしたダイエット法だ。具体的には、肉や魚、卵、野菜などは食べていいが、農耕や牧畜が始まり食されるようになった米や小麦、豆類、乳製品は一切口にしないというものだ。
肉・魚・野菜は制限しなくていいのがこのダイエットの特徴。例えば肉汁滴るステーキだって我慢せずに済む。肉食な男にとっても非常にありがたいダイエットである。

「食生活が豊かになり過ぎたことも現代人の肥満の原因ですよね。パレオダイエットなら引き締まった肉体だけでなく、“野生の勘”ってヤツも取り戻せそうじゃないですか！」と丹羽さん。
今回のダイエット期間は2週間。まずは期間中の食事内容から見ていこう。

「朝食はイモ類を中心に摂り、昼と夜は野菜と肉や魚などおかずのみを食べていました」と丹羽さん。
米や小麦などが食べられないので、できるだけポテトサラダやサツマイモの煮物などで炭水化物を摂取していたという。また、食事内容がマンネリ化しないようにも工夫した。牛や鶏、豚肉と魚をローテーションになるよう、あらかじめ2週間分のメニューを考えてからダイエットに挑んだのである。
「パレオダイエットでは料理法は特に制限がないので、ソテーやフライなどメニューのバリエーションが広がるのが嬉しいですね」。

このような食生活を2週間続けて、パレオダイエットの検証は終了。期間中の丹羽氏の体重の推移をグラフで見てみよう。

体重だけ見ると開始前の69.7kgから終了後69.3kgと、ほとんど変化が見られなかった。その代わり体脂肪は13%から7%まで減少した。ちなみに一時体重が増えている日は、会食でついつい食事量が増えてしまったからだそうだ。
「肉や魚は美味しいんですけど、やっぱり米を食べられないのが辛かったですね。イモ類で炭水化物を摂取してもなかなかエネルギーが湧いてこなくて、途中で挫折してしまいそうになりました」。
続いては、パレオダイエットの成果を写真で検証してみよう。

写真を見ると、体脂肪が減少したおかげか、お腹や顔周りがスッキリしているのがわかる。体調の変化についても丹羽さんに話を聞いてみると……
「肉や魚中心の食生活は、たんぱく質を取りすぎてしまうため、消化にエネルギーが取られて体の調子は良くなかった気がします。正直僕にはあんまり合わなかったかなと。でも、体に蓄積された中性脂肪がエネルギーとして消費されやすくなるので、体脂肪が多い人には良いかもしれませんね」。
トレーニングで日々エネルギーを多く消費するキックボクサーという職業柄、消化にまでエネルギーを使うこのダイエットは体に合わなかったようだ。

パレオダイエットを、ちょっとだけ科学する

最後にパレオダイエットの効果について、管理栄養士の瀬川理奈さんに聞いた。
「ダイエット期間中、丹羽さんのようにやる気が起きない場合は、イモの中でも糖質の多いサツマイモを多く摂取すると良いでしょう。糖質を極端に制限すると、エネルギー不足に陥り、低血糖症（血糖値が正常範囲以下に下がり、冷や汗や動悸、けいれん、意識障害、手足の震えなどを伴う症状）を引き起こすこともありますので、糖質も適度に摂取しながら行ってみてください」。
次回、丹羽さんにはタンパク質を制限する「味噌汁ダイエット」を行ってもらう。それでは乞うご期待。

丹羽圭介（プロキックボクサー） 出張パーソナルトレーニング「ケイトレ」代表で、「REBELS」の初代63kg級日本王者。減量のためにこれまで試してきたダイエット法は30種類以上。健康的に痩せる方法を探求する健康オタクでもある。http://www.ksk28.com/

 
瀬川泰祐（カタル）＝写真・文