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2020.04.11

からだ

本田圭佑の右腕として活躍する男が13年続ける、朝のコンディショニング術

デキる男のコンディショニング術●最近よく聞く「コンディショニング」という言葉。アスリートじゃあるまいし大げさな、と思うべからず。昭和生まれのデキる男たちはみんなやっている。
アスリートが最高のパフォーマンスを見せるためには、日々の「コンディショニング」が欠かせない。
心と体のコンディションを整えること。それは実は、誰にとっても重要である。会社では重責を任され、週末は家族を楽しませるべく奮闘……と常に最高のパフォーマンスが求められるのだから。そこで、自己流のコンディショニング術を取り入れているデキる男たちに注目した。
第1回は、サッカー元日本代表・本田圭佑選手のビジネスパートナーである鈴木良介さんだ。
鈴木良介さん。1981年(昭和56年)生まれの38歳。1歳の子を持つ父で、趣味はサッカー、プログラミングなど。

「聴き読書と10km以上のランニング」でコンディショニング

本田選手の信頼を得て、これまで国内外で約90校のサッカースクールの経営や、プロサッカークラブの運営などに携わってきた鈴木さん。
彼が毎朝欠かさず行うコンディショニングがあると聞き、待ち合わせ場所に向かうと……。
いました、いましたよ! 爽やかな笑顔のイケメンが軽快に走って来るじゃありませんか。

鈴木さんにとってのコンディショニングとは、毎朝のランニングだ。なんでも、13年も前からのルーティンだという。
「普段は朝5時半に起きて、6時から12キロほど走っています。それを10年以上続けてきたことには自信を持っていますし、何より仕事のアイデアのほとんどは、走っているときに思いつくんです」。
最近は、よくオーディオブックを聴きながら走っている。
「聴き流しているだけなので、本の内容はあんまり頭に入ってこないんですけどね。だから1.5倍速で再生し同じ本を2回聴く(読む)ようにしています。そうすると、1冊しっかり読んだ感覚になりますね」と、多忙な経営者らしく、“ながら読書”で時間の有効活用も欠かさない。

彼のようにランニングを習慣にする経営者は多いが、何故なのだろうか。
メンタルケアを専門とする精神科医の岡本浩之さんによると、ランニングが彼らの心を整える役割を果たしているからだという。
「心が疲れているときにこそ、ランニングは有効です。心が疲れを感じたとき、私たちの脳内では、ストレスホルモンであるコルチゾールが増加し、このホルモンが脳にダメージを与えて、私たちのメンタルを不安定にします。
しかし、ランニングをすると、コルチゾールを消費しメンタルを安定させます。さらに脳内にBDNF(脳由来神経栄養因子)というものが作られ、これが脳の神経細胞の肥料のような働きをして、コルチゾールの攻撃に負けない強い脳を作ってくれると考えられます」。
なにやら難しい言葉が出てきたが、要するに走ることでストレスに対して強い自分になれるということのようだ。
毎朝のランニングで、脳と体に心地良い刺激を与えるとともに、自分にスイッチを入れ臨戦モードへ突入。と、ビジネスの世界で活躍するには心も体も強さが必要ということなのだろう。
みなさんも鈴木さんのように朝ランを取り入れて、シュッとデキる男を目指してみては?
岡本浩之さん(精神科医)
医療法人幸啓会 北本心ノ診療所院長。スポーツ精神科医として運動講座の開催やアスリートのメンタルケアを行う。4度にわたりうつを克服した経験を持ち、自らもランナーとして走る。フルマラソンベストタイムは2h48m42s。
 
瀬川泰祐(カタル)=写真・文


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