寄る年波の中、サングラスやメガネに加えて老眼対策までを考慮すると、“2本持ち”は、不可避。となると憂慮されるのが持ち運びだ。
バッグに裸で入れとこうもんなら、ガリガリに傷はつくし、中から探し当てるのもひと苦労。購入時の付属ケースでは満足できないなら、首掛けやグラスコードという手もあるが、対応できるのは1本までだ。
となると、一方の使用中にもう一方をしまっておける“体のいい”アイウェアケースに頼りたい(←ココ重要!)。
これが探すと案外いい出会いがない中で、朗報だ。
就任早々その手腕が好評なダニエル・リー率いるボッテガ・ヴェネタの新作こそ程が良い。「ペーパータッチ ナイロン」によるシャカッとしたテクスチャーとマッチする渋みの利いた色み、そしてイントレチャート(編み込み)が施されたドローコードにアイデンティティをさりげなく落とし込むグッドセンス。
リアルクローズを意識した彼らしいデザインは、他人にチェックされたときには「ドヤ顔」で微笑み返しすらできそう。こんなふうに些細なケース選びまで気遣える喜びを知るに、寄る年波も悪くないと思うのだ。
清水健吾=写真 来田拓也=スタイリング 髙村将司=文