一見すればモカシンタイプの、クレープソールのアレ。そう、アレだ。
若い頃、スエードアッパーのものをデニムに合わせていたことを思い出す。
だが今は大人である。アッパーは上質なカーフレザー。細い丸紐を採用しドレッシーな雰囲気を醸し出している。
そしてアレとは構造的に異なる点が2つ。高さを抑えたノーズと、踵に回り込むラバーソールだ。そう、これは実はドライビングシューズなのである。
街で、海で履いてきたあの面影を残しつつ、今の僕らのためにアップデートされた一足。もちろんこの靴で街へ、海へと繰り出すことに変わりはない。つまりこのドライビングシューズには、大人カジュアルの今が凝縮されているのだ。
清水健吾=写真 来田拓也=スタイリング 加瀬友重=文