空前のキャンプブームと言われているが、キャンプをする人の多くは「火を楽しむ」のが目的。つまりは焚き火ブームと言い換えることもできる。
一般的に今はキャンプのオフシーズンだが、火遊びを楽しむならむしろハイシーズン。氷点下のなかでゆらめく炎を眺めながら酒を呑み、仲間とワイワイやる(周りに迷惑をかけない程度に)のは格別。今、“冬キャン”が注目を集めているのはそういうこと。それに伴って冬キャンを楽しむギアが俄然盛り上がりを見せる。
まずは、キャンプに欠かせないテント。昨年から正式に日本上陸したノルウェー発のアウトドアブランド、ヘルスポートの「バランゲル ドーム」は、広く背の高い室内空間と薪ストーブの煙突を通せる穴が最初から用意されているため、「冬の一軍幕」として急浮上。多くのショップで入荷待ち状態となった。
そして次に欲しくなるのが薪ストーブ。まだまだ朝と夜は氷点下が続くキャンプ場でも、テント内にこいつをインストールすればTシャツで過ごせるほど暖かくなる。台湾と日本の企業がコラボレーションして生まれた「ワーク タフ ストーブ 380」は正面とサイドが大きな窓ガラスとなっているため、テント内でも炎を眺めながら、暖をとることができる。
日が落ちればいよいよ焚き火の時間。モンベルの新作の焚き火台「フォールディングファイヤピット」は、独自の2重、深型構造による2次燃焼とドラフト効果により、高い燃焼率を実現。勢いよく燃え上がる炎を楽しめるうえ、煙や煤が少ないのもうれしい。ただ、飛び散る火の粉でうっかり服に穴を開けないように注意したい。
でも、どんなに気をつけていてもやっぱり穴は開けちゃいますよね? であれば、独自の難燃生地で、火に強い服として人気のグリップスワニーのモンスターパーカで、火の粉を気にせず思う存分焚き火を楽しむべし。ダウンとフェザーをたっぷりと封入しているので、火だけでなく、冷気もしっかりシャットアウトしてくれる。
そろそろ春到来。でも、キャンプシーンはまだまだ冬。きっと4月くらいまでは冬のギアは欠かせませんよ。
鈴木泰之=写真 平 健一=スタイリング