ビデオの映像をスマホで見る、不思議なノスタルジーがたまらない
ビデオデッキとの接続がクリアされれば、あとはビデオテープの内容をデジタル化するだけだ。アナReCとモニター用のテレビをHDMIケーブルで接続すれば、画面上で映像を確認しながら、デジタル化の操作が行える。
基本的には、ビデオデッキで再生した映像を見ながら、デジタル化したい部分で「(録画)開始/停止」ボタンを押せばよい。設定を変更すれば、ビデオテープの再生、停止にあわせて自動的に録画を行う「シンクロ録画」機能を利用することも可能だ。
シンクロ録画を選んでおけば、モニターに接続しなくてもテープの内容を自動的に録画できるので、複数のテープを効率よくデジタル化したい場合に便利だろう。
注意点としては、1回の録画でデジタル化できる最大容量が4GBまでに限られていること。長時間の映像(目安としては1時間15分以上)は、複数のファイルに分割されてしまう。ちなみに、デジタル化した映像はMP4形式で保存されることもおぼえておこう。
録画した映像は、アナReCから直接再生することもできるが、スマートフォンなどにデータを移して観賞するのが基本だろう。
カードアダプターを使えば、スマートフォンで利用されているマイクロSDにも直接録画できるので、映像を手軽に楽しみたい場合には、そちらのほうが便利かもしれない。
動画配信サービスでも高画質が基本となりつつある昨今、デジタル化したとはいえ、ビデオテープに記録された映像は、やはり画質が荒く感じてしまうのだが、それもまた味わいのひとつ。むしろその粗い画質に、たまらないノスタルジーを感じてしまう。
溜まったビデオテープの断捨離に役立つというだけでなく、捨てることのできない想い出の映像を、ノスタルジーとともに愉しむためのツールとしても、操作が簡単なアナReCは、ビデオ世代にとってかなりおすすめガジェットといえるだろう。とはいえ、それでも想い出が詰まったビデオテープを捨てるのには、かなりの勇気がいりそうだが……。
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1970年横浜市生まれ。Windows95発売時よりテクニカルライター&編集者として活動。現在はITのほか、音楽やファッション、フィジカル系の記事執筆を行っている。