PREMIUM BRAND × DAILY STYLE
SAINT LAURENT サンローラン
今季クリエイティブ・ディレクターのアンソニー・ヴァカレロがロサンゼルスにあるマリブビーチで表現した自由。そこには、ミック・ジャガーとセルジュ・ゲンズブールという偉大なふたりのミュージシャンの影響を見て取ることができる。メゾンを象徴するエレガントなスタイルは、彼らの荒々しさや軽やかさを纏うことで、男を虜にしてしまう。
1962年、ムッシュ イヴ・サンローランによる初のオートクチュールコレクションで発表されたトレンチコートは、メゾンが毎シーズン手掛けるほど特別な存在。最新作はオーバーサイズのダブルブレスト仕様。ここに細身で黒のレザーパンツや華奢なパテントシューズを合わせて、シルエットに強弱をつけてみて。コートを風になびかせて歩く姿がとってもサマになるから。
バットウィング(=コウモリの翼)スリーブと呼ばれる独特な形状の袖が目を引くオーバーサイズのニットカーディガン、その別名は“バハ コート”。ロサンゼルスの南に位置するバハ・カリフォルニアのサーファーがビーチで着用していたことに由来するのだとか。ジャカード織りで表現したフローラル柄には、どこか1970年代や自由の精神を連想させる。
新しいシグネチャースニーカーとして誕生した「マリブ」。その名は今季のコレクション開催地にちなんだもので、ソールサイドにはハンドライティング風にブランド名のプリントをあしらう。アッパーにはキャンバスを使用し、軽量な履き心地が自慢。ロートップとミッドトップの2型展開。
1975年に行われたザ・ローリング・ストーンズのコンサートツアーから、ディテールや色使いを取り入れて表現したという自由奔放なムード。Tシャツ&デニムにさらりと羽織ったこのバハ カーディガンもそれをシンボライズするアイテムのひとつ。ピッチの広いストライプ柄と甘い編み地、あえてボタンを設けないフロントデザインなど、レイドバックな雰囲気がたまらない。
スウェットシャツにブラックジーンズ。そこに合わせただけで、印象が華やぐカーフスエード製のトラッカージャケット。その秘密はルージュ フォンスと呼ばれる深みのある赤。アメリカンカジュアルでもお馴染みの着こなしなのにそこはかとなく色気が漂うのだから、効果のほどがおわかりいただけるだろう。
ヴィンテージライクなレザーを採用したショート丈のジャケット。アスタルカラーと呼ばれる個性的な襟やクルミボタンなど、随所のディテールから’70年代のレトロなムードが漂ってくる。これを主役に、モノトーンの幾何学模様を配したシャツやゴールドのストライプ柄スラックスを合わせることで、着こなしに程良い緊張感や洗練を与えている。
下山智章=写真 菊池陽之介=スタイリング 松本和也(W)=ヘアメイク 川瀬拓郎=編集・文 イケベ楽器=撮影協力