見てのとおり、スノーボ—ドの話だ。ウィンタースポーツに目がない御仁には、釈迦に説法となるのでご容赦を。
バインディングにブーツを固定するのは、いわゆるストラップ方式が一般的。当然、グローブを着けた手でも扱いやすく設計されているものの、着脱時の煩雑さが解消されるほどではない。やがて“ステップイン式”なるものが普及する。足を踏み込むだけで手軽に着脱可能ではあるが、こちらは、ホールド感がイマイチで、接合パーツに雪が詰まりやすいとして、エキスパートボーダーを筆頭に、一部不評もあった。
ところが、2017年に登場したバートンの新システムが、がらりとその勢力図を変えた。その名も「ステップオン」。ヒールとトウにそれぞれ配置された接続パーツの凹凸が、それぞれ“カチッと”噛み合うことで固定される仕組み。ソールで固定した(それゆえに雪が詰まる!)かつてのステップイン式とは異なり、トウのサイドに接続パーツが備わった、雪が入り込みにくい設計。
楽チンな着脱性と、2点留めによる確かな固定力。おまけにブーツは、ゴルフシューズでも見かけるワイヤーロックシステム「ボア フィットシステム」を採用し、シビアなフィッティングにも対応する。
そして、オトーチャンとして見逃せないのは、「子供用」がある点だ。子供にこそ、この楽チンさは有用。安心なうえに快適ならば、スノボをより好きになってもらえるはず。可愛い我が子に“カチッと”させれば、「雪世界への冒険」という旅をさせることができる。
清水健吾=写真 来田拓也=スタイリング 髙村将司=文