ランナー目線のモノ選びが、日常生活を豊かにしてくれた
「ランニングでも日常生活でも使えるかどうか」というモノ選びへのこだわりは小物にも貫かれている。
ヘッドホンは骨伝導タイプの最新モデルを愛用。振動する物体を耳のそばの骨にあてることで聴覚神経へとダイレクトに音を届けてくれるため、耳をふさぐ必要がない。ランニング中の安全面を考えたチョイスだ。愛用する「アフターショックス」は、骨伝導技術に特化したメーカーとしてニューヨークで創業したブランド。ワイヤレス、防水防塵、8時間の長寿命バッテリーと必要なスペックを満たし、そのうえで骨伝導とは思えないほどの音質の良さを誇る。
貴重品を携行するためのウォレットも「走りだせるかどうか」で選んでおり、京都発のガレージブランド「ミニマライト」がお気に入り。わずか16gで、三つ折りにするとタテ約6cm、ヨコ9.5cmというミニマムボディに、紙幣とコイン、カード、おまけに鍵まで収納できてしまう優れモノだ。コンパクトなのでランニングにはもってこい。
「この形にこだわって集めている」というキャップも牧野さんにとっての必須アイテム。ツバの短い“ダックビル”タイプのメッシュキャップで、普段使いからランニングまで愛用できるものを選んでいる。
「ランニングに使えるかどうか」という基準でモノ選びをするようになってから、ファッションや日常生活がむしろ豊かになになったいう牧野さん。
陸上部に在籍していた高校時代を最後にいったんは距離を置いたものの、大人になってからランニングを再開したことで、本業であるファッションにもまた違うベクトルの深みが出せて、それが自身のキャラクター作りや仕事にもダイレクトに役立っている。まさしくランニングアップデートのお手本だ。
「この趣味をいつまでも続けられるように、ずっと健康な体をキープしていきたいですね」。
RUNNER’S FILE 01
氏名:牧野英明
年齢:39歳(1980年生まれ)
仕事:ビームス 開発事業部 ライセンス事業課にてスポーツを担当
走る頻度:週6日程度。仕事終わりや昼休みにジムのトレッドミルなど
記録:フルマラソン2:49:01(2019東京マラソン)ほか
礒村真介(100miler)=取材・文 小澤達也=写真