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子供の個性を応援する「後押し」の危険性

フツーが個性を生かす
子供それぞれの個性、才能を伸ばすことはもちろん大切であることに違いはない。しかし同じように、安易に子供の個性や才能のみに賭けることには慎重になるべきではないのか。
場合によっては、あえて一度は子供の才能を阻む壁になってみせる、そうした悪役を買って出ることも必要だろう。オトーチャンズは子供の夢に対して、面倒臭い存在であっていいのだ。子供の個性を生かし、伸ばしてやることに労を惜しんでほしくはない。しかし、同時に「読み書きそろばん」や「一般教養」の大切さも忘れないでいてほしい。
最後に、「親が子供の夢を後押しする」、「親の後押しで子供の個性を伸ばす」といった、考え方について触れておきたい。と言うのも「子供が望んだから」「可能性があるから」と親が背中から後押しすることについて、もっと慎重であってもよいと考えるからだ。
後ろから背中を押すばかりでは、本当に子供が見据えているものに気づけないこともあるだろう。子供からしても、本当には違う方向を向きたいのに、一方的に後ろから押され続けているようでは、向きを変えることもままならない。それは、結果的に子供の可能性を潰していることになってしまう場合もある。
オトーチャンズの手は、闇雲に子供の背中を押すためではなく、助けが必要なとき「ファイト一発!」とばかりに、引き揚げてやるためにこそ使ってほしいと思うのだ。
 
>連載「オトーチャンズの心得」を最初から読む
宇都宮大洋=文 asacom.=イラスト


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