ゲストを待ち受ける嬉しい悩み

「OMO5 東京大塚」が面白いのは、ホテルと街が一体となってゲストを楽しませてくれるところである。開業前からスタッフたちは地元の商店などをまわり、このホテルで何がやりたいのかを伝えてきたという。
あくまでも個々の店の意思を尊重しつつ、自分たちができることで街を盛り上げていく。その思いに賛同して生まれたのが、先ほどのプロテイン入りフレッシュジュースの提供であったり、老舗もなか店と老舗果実店をつないで誕生したコラボスイーツだったりする。
またクラフトビールの醸造所が出張実演をする催しなど、街の魅力を伝えるさまざまなイベントも開催されている。ゲストも、街の人たちも、このホテルをハブとして、さまざまな交流を行っているのだ。

客室の居心地も抜群にいい。19平米程度と決して広くはないのだが、2.9mの天井高で圧迫感はなし。ライティングデスクは置かずにソファスペースを広くとり、ベッドスペースは「やぐら寝台」と呼ばれる、中2階の立体的な構造になっている。しかもバスルームには、肩までしっかりと浸かれる日本式の浴槽、洗い場もきちんと確保されているとあって、家族連れでも安心。まるで屋根裏部屋のような寝室に子供のテンションは、間違いなく上がるだろう。
こうなると、部屋で時間を過ごすか、外に出て自由に散策するか、それともOMOレンジャーと遊び倒すのか。嬉しい悩みが待つホテルである。
 
星野リゾート　OMO5 東京大塚
住所：東京都豊島区北大塚2-26-1
電話：0570-73-022
https://omo-hotels.com/otsuka/
2名１室利用時6500円～(１名あたり、税・サービス料別)
林田順子＝文