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2019.12.11

ファッション

エルメスのランウェイで最初に登場したコートは、自分ギフトにしたい逸品だ

ファッションショーに出てくる最初の1体=ファーストルックには、そのシーズンのブランドのすべてが詰まっていると言っても過言ではない。今シーズンのエルメスが描いた世界観は、ソフィスティケイトされた日常に寄り添うシンプルで上質な装いである。
キーカラーはブルーニュイ、プルシャンブルー、インディゴなどのさまざまなトーンの青で、随所に配されたメタルパーツが上質な素材を引き立てるアクセントになっている。そして写真のスタイリングは、前述のテーマを余すところなく体現した、ショーのファーストルックを再現したものだ。
ダブルフェイスのカシミヤのダブルブレストのコート/エルメス
軍モノのピーコートのようなズッシリとした重みを感じるが、こちらはウールではなくダブルフェイスのカシミヤ。印象的なメタルボタンには、エクスリブリスに馬ではなくドラゴンの刻印が。襟裏やポケットは、上質なレザーでトリミングされている。“最上級の重みと暖かみ”を体感してほしい。コート117万円、シャツ10万1000円、カットソー5万円、レザーパンツ99万7000円/すべてエルメス(エルメスジャポン 03-3569-3300)
無論スタイリングの主役は、ダブルフェイスのカシミヤのダブルブレストのコート。色みは明け方の夜空のように深く、上品さを兼ね備えた青。ピーコートとチェスターコートのいいとこ取りみたいなデザインが、合わせる服を選ばなさそうだ。
“一生モノ”という言葉とともに、このコートを見て思い出したのは、1990年代の“裏原”のスーパースターの姿だ。彼は冬になると、エルメスのオレンジ色のカシミヤ製ダッフルコートを羽織っていた。あれから20年以上の月日が経ち、僕らも大人になった。ウォレットやカードケースもいいけれど、そろそろ贅を尽くしたエルメスの服に袖を通してもいい頃ではないだろうか?
 
清水健吾=写真 菊池陽之介=スタイリング 増田海治郎=文 大関祐詞=編集


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