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アウトドアをもっと楽しんでもらえるならマニアックなギアでも作る

——熱燗プラス一品作りに特化した「メスポット ラージ」も、かゆいところに手が届いた象徴的なアイテムです。
徳利とおつまみ1食分が楽しめる、非常にシンプルなクッカーです。しかし、金型から起こした完全オリジナルアイテムのため、相当な開発費を要しました。それでも、これを使ってアウトドアで一杯やりたい人々の満足度を想像したら、作らないわけにはいかなくて(笑)。採算が取れるまで時間がかかるのは覚悟のうえで製作した力作なんですよ。
焚き火イメージ
焚き火タープを製作できるのはスタッフが丁寧に説明し、正しい使用法を伝えられるのが大きい。
——かなりニッチではありますね。
ナショナルブランドが拾えないニーズを押さえられるのは、小規模生産が可能な我々だからこそ。例えば、ヒット作の焚き火タープシリーズも大手メーカーなら作りにくいアイテムでしょう。それは販売店に自社スタッフがいないから、ファブリックによる特性の違いや注意点などを、正確に伝えられないんです。
例えばコットンは水を含むと繊維が膨らんで目が詰まり、結果的に防水性が生まれます。そこへ撥水スプレーを過剰にかけると、機能が発揮されなくなる。つまり繊維を撥水剤でコーティングしてしまうため、目が粗いままになってしまうのです。難燃素材は間違った使い方をすると危険ですからね。しっかりと商品知識を持ったうえで、接客を行うことが大切なんです。
根本さん
「今のキャンプブームを支えている世代がそろそろ子離れの時期。ソロに移行するときにもテンマクデザインを選んでくれたらうれしいです」。

ソロ転向派のパパも楽しめる斬新なプロダクトを作っていきたい

——今後はどのような展開を予定していますか?
ソロキャンパーに向けた商品開発を積極的に進める予定です。元々WILD-1はエントリー向けの、“こだわっているけど使いやすいプロダクト”をセレクトしており、ファミリーで来店してくださる方が多い。ですから今後は子供が大きくなって、ソロキャンプに転向しようというパパも増えてくると予想しています。
また、単にニーズに応えるだけでは価格競争になる一方なので、最終的に誰もハッピーになれないとも考えています。ただ売るだけでなく、我々からもどんどん新しいアクションを仕掛けていくことは必要でしょうね。お客さんが思いつかないようなアイデアを提案して、アウトドアライフを豊かにするお手伝いをしていきたいと思っています。
 
金井幸男=取材・文 平安名栄一=写真


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