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右肩のハンドルにあった意外な背景

−−アイテムの生産背景についても教えてください。
クセニヤ アークティックエクスプローラーのジャケットを生産しているのは主に、ソビエト時代に軍隊や探検家のためのウェアを作っていた工場です。当時は政府がコントロールしていたようなところ。クオリティは間違いないですね。
アナトリー バックグラウンドも大切にしてますが、僕たちにとっていちばん大事なのはやっぱり品質。ひとつのアイテムができたら、必ず2〜3回はテストしてクオリティコントロールしています。生地もそういう視点で選びますね。アークティックエクスプローラーのダウンジャケットに袖を通したら、探検家の気分が少しだけ味わえるんじゃないかな(笑)。
アナトリー・ツォイル

サンクトペテルブルグ出身。ジョーク多めのユルい人柄ながら、実はエルサレムのヘブライ大学で経済学の学位を取得したインテリジェンスの持ち主。20年以上の間、銀行業界で辣腕を振るった後、クセニヤと共同でアークティックエクスプローラーを立ち上げた。
−−アークティックエクスプローラーのダウンには、片方の肩に太いハンドルがついています。あれには意味がある?
クセニヤ あれは、氷の上で足を滑らせて海に落ちた人を引き上げるときに掴むため、探検用のウェアに設けられていたディテールが元ネタなんです。本当は両肩についているんですが、ファッション的にはちょっとトゥーマッチ。それで、私が右利きだから右だけを残しました(笑)。
アナトリー 渋谷の人混みで迷ったら、これで引っぱってもらえばいいかもね(笑)。
アナトリーさんのオススメモデル「SPECNAZ(スペツナズ)」

ショート丈のボディにたくさんのポケットを配したデザインが目を引く。モデル名はロシアの特殊部隊から。「スペツナズのタクティカルベストから着想を得たデザイン。フロントの大きなポケットも上下で分かれていて機能的。丈が短めで、車を運転するときに楽なのも気に入っているポイントなんです」(アナトリー)。もちろん、右肩にはハンドルが付く。10万5000円/アークティックエクスプローラー(ブルーウッド 03-5709-1098)


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