この素敵な女性は、妻か恋人か、はたまた娘か。大切な女性に確実に好印象を抱かせるモコモコ服は、ここ一番で、オジサンの強い味方となってくれる!?
もしも、妻と久々のデートをしたら……
「いや〜朝はけっこう冷え込むな〜」「あれ? なんかいつもと雰囲気が違う!?」こんなに早く起きた休日は久しぶりだ。古い友人の写真展に向かう道すがら、アルパカ混のコートの暖かみが身に染みる。ゆったりしたシルエットでガバッと羽織れるのも、忙しない朝にありがたい。「何だか今日はいつもより素敵だね」と、久々に妻に褒められた。朝の冷えた空気が、ちょっと和らぐのを感じた。
もしも、娘とドライブしたら……
「ホットするホットコーヒー、お待ちどうさま〜(笑)」「びっくりするくらい面白くないけど(笑)」「どこに行きたい?」。娘のリクエストの場所は、片道約2時間。オジサンにはちょっとつらいロングドライブ。でも、俺はやっぱり彼女には甘い。まずはコーヒーでも飲んで落ち着こう。クルマの乗り降りの際にも邪魔にならないショート丈のムートンジャケットは、最近のお気に入り。
黒いレザーがワイルドな半面、襟のボアが和らいだ印象も与えてくれそうだしね。そう、この優しさは、まるで寒い日のブラックコーヒーのようだ。なんてことを思いながら彼女の横顔を見ると、クスッと笑っていた。「じゃあ、出発しますか!」。
もしも、恋人と家でくつろぐなら……
「この場所、一回行ったことあるよ」「今度、また行ってみるか?」掃除はルンバに任せて、今日はのんびりと。家で過ごす日はリラックスしたいけど、だらしなくは見せたくない。その点、ざっくりしたニットはいい。肌触りが良ければなおさらだ。
「ちなみにこれは、ロリス社っていうイタリアメーカーの糸を使っていてね、ともて肌触りが……って、聞いてる?」「モコモコしていて気持ちいいね」と彼女のほうからタッチ。距離が近づくとわかる優しい質感のありがたみ、それって服だけじゃなく、人間だって一緒かもよ。
須藤敬一=写真 梶 雄太=スタイリング 北 一騎(Permanent)=ヘアメイク 増山直樹=文