Day 5 TUE.
余興の朝練は悪しき冬の風物詩。新人は大変だなァ
今日は午前中に三宅本部長と8人の部長による繊維部門会議がある。服装はベルヴェストのグレースーツにネイビーベースのレジメンタイ。肌寒く、雨が降りそうな空模様だったので、防水機能のあるボンディングコットンのブルゾンを羽織った。会社の前に着くと、なにやら広場から騒がしい声がする。
『ああ、忘年会の練習か。大変だな』。亞藤忠の忘年会では、新人たちが場を盛り上げるため、みんなの前で出し物をするという伝統がある。人前で度胸をつけるという目的もあるのだが、ユースケには苦い思い出しかない。新人たちは多忙の合間を縫って、早朝や夜に集まり、練習に励まなくてはならないのだ。繊維部門では、このような余興の強制は中止になったが、体育会系気質な他部署ではいまだ健在のようである。
『こんな時代遅れな伝統、やめりゃいいのに』と懸命にがんばる新人たちを見てユースケは苦笑いを浮かべる。ちなみに反骨精神の塊だった当時のユースケは朝練には参加せず、忘年会当日、即興でバドガールの衣装を着てランバダを踊り、場内を爆笑の渦に。その芸は伝説として語り継がれている。
着回しアイテム【B】「ベルヴェスト」のスーツ白ストライプが配されたチャコールグレーの3Bスーツは同ブランドらしさが光るグラマラスなシルエット。28万6000円/八木通商 03-6809-2183
【3】「シーラップ フォー グラフペーパー」のブルゾンオーバーシルエットが今っぽいコート。ボディはボンディングコットンで、ステッチには防水テープ加工が。16万円/グラフペーパー 03-6418-9402
6/7