“みんなの”から“個の”場所へ。ショッピングモール2.0時代を感じる3つの店

ショッピングモールは誰もが楽しめる場所＝“平均点”の店が集まる場所。と考えるのは前時代的。進化の歩みを止めないモールは今、ディープな趣味を持つ大人も満足できる場所となっている。
大人の好奇心を満たす3つのショップにみた、ショッピングモール2.0時代。そのサービスの内容をチェックしよう。

①COREDO室町テラス
台湾発！ 本好きの聖地「誠品書店」

古き良き日本文化が息づく日本橋に9月27日（金）、新たな文化の発信基地となるCOREDO（コレド）室町テラスが誕生した。
その2階フロアは、台湾発祥の体験型カルチャーショップ「誠品生活日本橋（せいひんせいかつ にほんばし）」となっている。

台湾グルメが味わえるカフェやレストランがあるほか、台湾雑貨・食品の販売、ワークショップも開催するなど、ここでの楽しみ方の幅は広い。なかでもメインとなるのが「誠品書店」という書籍コーナーだ。

回廊のような広い店内には、文学、ビジネス、旅やアート、洋書など、あらゆるジャンルの本が揃う。壁一面に本棚が並ぶ光景は、それだけで読書好きを喜ばせてくれるが、特に注目したいのは、定期的に設けられたテーマで本をキュレーションした「誠品選書コーナー」である。選りすぐりの本の中には、広く世に知られていない隠れた名作もあり、本好きの心をくすぐるに違いない。
ちなみに台湾にある店舗は、「TIME」誌のアジア版で、アジアで最も優れた書店と評されたほどの実績を持つ。店内には座席が設置されていて、購入前の本をゆっくり試し読みすることも可能。豊富な品揃えと居心地の良さを兼ね備えたこの場所は、“本の虫”たちにとって新たな聖地となってくれそうだ。

②グランベリーパーク
“アウトドア体験”がウリの「モンベルストア」

2017年に閉館した「グランベリーモール」の跡地に、11月13日（水）にオープンした新商業施設が「グランベリーパーク」だ。隣接する鶴間公園と一体的にデザインされた広大な敷地には、ファッションやグルメ、子供向けのアミューズメント施設など人気店がラインナップする。
この施設には、アウトドア好きにぜひ訪れてほしい専門店がある。それが国内最大級となるモンベルストアだ。 

この店舗の最大の特徴は、“体験プログラム”が充実していること。店に接するように人工池が造られており、なんとここではカヤックの体験ができるのだ。基本的な乗り方やパドリングなどを教われるため、カヤックに興味はあるが初めて……という人も安心してチャレンジを。スイスイとパドルを漕いでいると、清々しくてここがモールだということを忘れてしまいそうだ。
また、店舗の前には“クライミングピクナル”と呼ばれる人工岩が設置され、クライミングにも挑戦できる。人工岩は高さ12mにも及び、下から見上げると圧倒されるほどだ。体験時にはハーネスを装着するとはいえ、頂上まで登るのにはかなり勇気が必要。だが、登頂時には上から広い敷地内を見渡せ、なんとも言えない達成感を得られるだろう。
カヤックにクライミング……本格的な体験プログラムは、気軽にアウトドアを楽しみたいという大人を満足させてくれるはずだ。

③ららぽーと立川立飛
誰でもドローン体験できる「ドローン ザ ワールド」

行列のできる人気グルメやファッション＆雑貨店、スーパーマーケットまで擁するららぽーと立川立飛は、地元の人の生活に欠かせないショッピングモール 。そのことは先日のパパラッチでも証明されたとおり。
そんな「ららぽーと立川立飛」に今年6月にオープンしたのが、ドローン専門店の「ドローン ザ ワールド」だ。

“ららぽーとにドローン”という意外な組み合わせにまず驚かされるが、さらに充実したサービス内容にも驚愕する。ここではドローンの販売を行うだけでなく、空撮映像の撮影講習や資格取得のためのスクールも開講するなど“本格派”なコンテンツが用意されているのだ。
また、ゲーム感覚で操縦のトレーニングができる参加型エンターテインメント施設「スカイファイト」も併設。なかにはドローンのコースが設けられ、レースも開催される。
予約不要なので、初心者がふらりと足を運べる気軽さも魅力である。「ちょっと試すだけ……」と実際に操縦桿を握ったら、子供の頃にハマったラジコンを思い出し、つい大人買いしてしまうかもしれない!?
時代とともに、その楽しみ方も変化してきたショッピングモール。これらの専門店は、家族みんなで楽しめるモールの中にあるってことも重要だ。なぜなら、休日の家族サービスが叶うのと同時に、ちゃっかり自分の趣味にも浸れるのだから。
 
小山田滝音＝取材・文