細身な服=きれいめ。そんな方程式が常識だった世を生きた大人にとって、「ユルいきれいめ」な服は歓天喜地、まさにカラダも心も喜ぶ思いだろう。
骨太、アジ出し、馴染むまでは我慢。そんなアメカジの常識も変わってきた。そのアイコニックなスタイルはそのままに、力が抜けて、もっと洗練された3つのスタンダード。なるほど、こりゃいい。
「トゥモローランド」のトラッカージャケット
トラッカージャケットでも色はブルーじゃなくグレー。そして、素材は度目をかなり詰めた18ゲージのウールジャージーを採用。
伸縮性がありつつ、ニット特有の落ち感もない。つまり形もきれいで着心地も最高という一挙両得。内ポケが台場仕立てなのもツウ。
「エイチ ビューティ&ユース」のマウンテンパーカ
素材はタフさで知られるインビスタ社のコーデュラ ナイロン、つまりハリがある。でも、形は昔ながらの大きめ設計。つまり、着たときに服自体がゆとりとボリューム感をキープしてくれるという寸法だ。
オールブラックで引き締めつつ、袖の刺繍でさりげなくストリート感も匂わせた。
「アンフィル」のウエスタンシャツ
ウエスタンシャツによくあるテカテカ、テロテロのサテン素材。絵にはなるが、あれをタイトシルエットで着るのはちょっとハードルが高い。
でも、これは落ち着いたウールギャバジン仕立てで、シルエットもユルめ。着たときに現れるドレープの美しさは、高級仕立てのコートのよう。
三瓶康友=写真(人物) 鈴木泰之=写真(静物) 来田拓也=スタイリング MASAYUKI(The VOICE)=ヘアメイク 今野 壘=文