業者も「返さない場合」を織り込み済み?
鈴木先生の執務室にあった参考文献の数々。法律の世界には、知らないだけでぼくらを守ってくれている制度が存在する。--そういえば、民事再生は自己破産とどう違うんですか?民事再生は、
借金を帳消しにするのではなく、圧縮する形。減額してもらうんですね。たとえば住宅ローンきっかけで、キャッシングなどの負債をした人は、住宅ローンは今まで通り支払って、ほかの借金を5分の1にしてもらうなど。
--自己破産のほうが良さそうですけど、民事再生にメリットはあるんですか?さっき言った職種の制限などがないことですね。対象の職種の方は自己破産で失職してしまうので、民事再生を選ぶ人も多い。それと、
遊興費やギャンブルなどで高額な借金を負った方は、自己破産をしても借金が免責されない可能性が高い。そのために民事再生を選ぶこともあります。ただ、こちらも自己破産と同様にそれほどのマイナスはありません。
--ほかにも債務整理の種類を挙げていましたよね。任意整理ですね。自己破産や民事再生は裁判を行いますが、任意整理は当事者同士で折り合いをつける形。
示談みたいなものです。主な債務整理は、その辺りでしょうか。
--ふと思ったんですが、貸す側はそんな制度を受け入れてくれるんですか? 自己破産とかガンガンされたら、商売あがったりじゃないですか。貸金業者もビジネスですから、そこまで計算に入れて、トータルでプラスになるように全体の金利を設定しています。だから事業として続けられるわけです。逆に言えば、それだけ皆さんきちんと返済しているんですよ。
--なるほど。何より大切なのは、こういった
債務整理の詳細を知っておくこと。それだけで借金への怖さが薄れるんじゃないですか。最初から返さないつもりはダメですが、返せない場合の救済制度をきちんと知っておくと見方が変わりますよね。
--返せるかどうか不安で足踏みするなら、返せない場合の制度を知ったほうが先に進めそうですね。そうですね。たとえば家を買いたいとき、事業を起こしたいとき、こういうことを知ったほうがずっとチャレンジしやすいわけです。
--なるほど、だいぶ借金の見方が変わりました。あとは、すでに借金をしている人にもタメになる知恵がありますよ。もしよろしければこの後話しましょうか? 過払金のこととかも。
--なんだかんだ先生もお話好きですね。では次回お願いします! 有井太郎=取材・文 小島マサヒロ=写真