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0.1mm単位の修正を繰り返して誕生した焚き火台

サテライトファイヤーベース
サテライトファイヤーベース 1万7000円
——今春リリースの焚き火台も好評ですよね。
携帯性とセッティングのしやすさ、重い薪に対応する頑丈さを追及し、従来品とは違うアプローチで基礎設計を行いました。軽くて持ち運びやすくてもセッティングが面倒だったり安定感がなかったり、しっかりしているけど収納性が悪かったりといったことがないよう、バランス良く仕上げています。
設計
アームとレッグが収まる設計のキモは、削り出しによって実現したソケット部。ほかの加工技術では難しいとか。
——特にこだわったポイントはどこでしょう?
本体の円筒部、両端のボルトを緩めるとアームとレッグが出せる構造なのですが、このアルミ製ソケットを削り出し加工しています。設計上、板金や鋳造では困難なんです。見た目のシャープさも削り出しならではといえるでしょう。火床となるマイクロメッシュは、耐熱性と収納時のしなやかさを重視して選びました。
メンテナンス
使用するたびに動かすボルト、ソケット部は硬さの異なる金属を使用しているので、磨耗が避けられない。油を差してケアするのが望ましい。
——使用やケアで気をつける点はありますか?
レッグは板状のステンレスのため、どれかのレッグに極端な負荷がかかると曲がってしまいます。4本均等にウェイトが分散するよう、安定した場所で使ってください。また、本体両端のボルト・ソケット部分は、磨耗するとキーキーと異音の出る場合が。適宜、油を差してもらえれば問題ありません。

ひとつにまとまるからパーツ紛失の心配なし

収納
メッシュと本体は付属のケースに収納可能。合計1760gなので持ち運びの負担はかなり少ない。
——ペグハンマーと焚き火台、2モデルとも「ムラコ」独自のアイデアが詰まっていますね!
新事業の計画段階では、切削加工によって作ったインテリア雑貨を展開することも検討していました。しかし、アウトドア用品のほうが切削技術をより活かせると判断し、アウトドアブランドであるムラコをスタートさせました。
新事業のスタートは大きなチャレンジでしたが、得意なことから手をつけることで成長し、自分たちだけの個性も生み出せました。今後も精進し、みなさんに驚きと満足を感じてもらえるアイテムを送り出したいと思います。
Hiroyuki Yamada=写真 金井幸男=取材・文


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