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「アムロとシャアに、宇宙からTOKYO2020を応援してほしい」


天野さんはさらに組織委員会内の「ONE TEAM PROJECT」というプロジェクトチームでも活動中。これは日本を代表するクリエイターやイノベーター協力のもと、東京2020大会を盛り上げるプロジェクト。
「以前にあった『宇宙から東京2020エール!』という企画が終わったあと、宇宙を活用したさらにアッと言わせる仕掛けをしたいと思いました。いろいろ調べてみると、オリンピックを応援するための人工衛星はまだ打ち上げられたことがないと分かって、それならば、史上初となる五輪応援衛星を開発して打ち上げようと。
ⒸTokyo 2020 Ⓒ創通・サンライズ
ただ、それだけでは少し遊び心がないなと思い、日本が世界に誇る文化のひとつ、アニメキャラクターのガンダムを衛星に搭載しようと考えました。僕もバリバリのファーストガンダム世代なので(笑)」。
こうして、「宇宙から東京2020エール!」企画第2弾として、「G-SATELLITE 宇宙へ」が始動。「機動戦士ガンダム」総監督の富野由悠季監督の協力も仰ぎ、衛星の開発を担当するのは小型衛星開発の権威、東京大学の中須賀真一教授のグループ。「実は中須賀先生もガンダムが大好きなんです(笑)」。

「G-SATELLITE 宇宙へ」で宇宙に飛び出すガンダムとシャアザク

ⒸTokyo 2020 Ⓒ創通・サンライズ
・サイズ
「衛星の小さな箱の中で、ガンダムを1機入れるか、小さくしてガンダムとシャアザクを入れるかは喧々諤々と議論しました。最終的に、オリンピックは平和の象徴なので、作品の中では戦っているのに一緒に協力するというのが良いのではと、1/200サイズの2機を両方入れることにしました」。
・素材
「通常使っている素材や塗料では宇宙空間では耐えきれないので、搭載するガンダム、シャアザクを開発する製作担当者が苦労に苦労を重ねて、宇宙空間に対応できる特殊素材・塗料で今も製作中です」。
・メッセージ
「衛星には7機カメラが設置されるので、ただ通常のガンプラがいるだけではつまならいので、何か工夫を入れたいなと思い、ガンダム、シャアザクの目がオリンピックカラーに五色に発光する仕掛けを搭載しています。また宇宙用の電光掲示板も取り付けてあるので『〇〇選手、金メダルおめでとう!』などと祝福メッセージを多言語で宇宙から送ることができるようになっています」。
企画の始動は2018年の7月。「衛星の開発というのは普通、最低でも2年かかるんです。でも2019年の10月までに完成させないといけない。10月末までにJAXAに納品し、2020年3月に補給船でISSまで運ぶ予定です」というタイトなスケジュールで進行中。
さらには「実はこれ以外にもまだ発表していない機能があり、それらは今年12月に開催する衛星完成発表会見でお披露目します」とのこと。
実際に衛生に載せられるガンダムとシャアザク。 ⒸTokyo 2020 Ⓒ創通・サンライズ
組織委員会での活動は「2020年の年末で終了、(会期直後の)2020年9月にほぼ解散になる」とのこと。「超・短期決戦です。企画を翌年に伸ばすようなことができないので、自分が考えたことを期間内に出し尽くすことが大事。持っている力をどこに注ぐかを考えて、動いていきます」と天野さん。
さらに「ガンダム衛星企画を進めるにあたり色んな部署から必要性や実施意義などを問われましたが、それはひと言で言えばずばり“ロマン”です。今の日本に必要なことってこういうことじゃないのかなと思います。東京2020、トラックや競技場以外に、ぜひ“宇宙”に注目してみてください!」。
アムロとシャアからのボイスメッセージが届く!
東京2020組織委員会は、2020年に宇宙にいるアムロとシャアから“あなた宛て”のボイスメッセージ動画を抽選で10名様に届ける「“ガンダムと一緒に東京2020エール”キャンペーン」を実施中。
「あたれぇ!」と思ったあなたは、コチラ↓をチェック!
https://participation.tokyo202 0.jp/jp/oneteam/08.html
市來孝人=取材・文
 



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