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2019.09.29

あそぶ

オフロードをラクに走破!電動MTBがアウトドアライフを充実させてくれる理由

e-MTB
アウトドア愛好家が増え続けている昨今。キャンプにSUP、ライトハイキングとさまざまなアクティビティに挑戦している人は多いはず。しかし、欧州ではいまや当たり前となっている、電動マウンテンバイク(e-MTB)のムーブメントを知っているだろうか?
オフロードしかり、ロングライドしかり、ラクに快適に走れることが豊かな楽しみを運んでくれる。日本自転車競技連盟のマウンテンバイクナショナルチームコーチ・小笠原崇裕さんが世界的トレンドとともに教えてくれた。
小笠原さん
小笠原崇裕さん(39歳)●MTBのほか、オフロード版トライアスロン・エクステラをこなすプロ・マルチアスリート。MTB歴は30年。マウンテンバイクU-23全日本チャンピオンを獲得し、プロチームに所属して世界中でワールドカップなどに出場するなど転戦。現在はとくに後進の育成に力を注いでいる。

世界に浸透しているe-MTBの波。日本は超後進国

e-MTB
「eBIG.SEVEN 600」35万9000円(標準現金販売価格)/メリダ(ミヤタサイクル 044-221-0250)
――e-MTBが世界的トレンドってホントですか?
知らないのは、超後進国の日本だからですね(笑)。元々欧米では通勤で15km、20kmを自転車で走るのはザラですから、それがラクになるガジェットとして浸透しています。山道を行く観光でも利用されていますし、スポーツの観点からもe-MTBだけの世界大会も行われるようになったほど。もはや一般化していますよ。
――ママチャリが進化、というレベルではないと。
はい、電動自転車自体の進化もすごいのですが、とくに最新技術が詰め込まれるMTB自体の性能もグンと上がっていますね。ここ1、2年での進化は凄まじいです。
――たとえばどんなところが?
バッテリーが小型化したのはもちろん、従来のMTBの感覚を受け継ぐマシンの登場です。加重コントロールがおこないやすくなり、ハンドル操作がしやすくなりました。車体の重さは致しかない部分がありますが、そのほかはほとんど最新鋭のマシンと変わりません。
MTBとの比較
写真左は、2020年モデルのMTB「BIG.NINE 5000」。フォルムの差はほとんどない。マシンの中央部のバッテリーがなければ、見分けがつかないほどだ。

そもそもMTBの楽しみとは?

――なるほど、e-MTBがキてるのはわかりました。ただ、恥ずかしい話、MTBの楽しみ方って……?
競技スポーツとしては、主に2種目。オリンピックでも正式種目として採用された、複数人が一度にスタートするクロスカントリーと、急な山道を1人ずつ下り降りるタイムトライアルのダウンヒルですね。ただ、最も感じてほしい魅力は、自然の中をマイペースに走る楽しみ方です。
――自然の中を走り抜ける?
とくに雨上がりの森のニオイは気持ちよく、空気もとても美味しい。自転車だと行動範囲が段違いに広くなるし、森林の中の疾走感もたまりません。それに山の中だけではなく、舗装路を走るのにも優れているので、アスファルトでのロングライドにも向いています。つまりは、お出かけ先でのアウトドアの幅をグンと広げられる一台なんです。
MTB
小笠原さんの愛車であるメリダのフラッグシップモデル「BIG nine 9000」。細かい部品もすべてカーボンにカスタマイズし、マックスまで軽量化を図っている。
――で、その中でも注目なのがe-MTBだと。
そのとおり。正直、オフロードを走るのは体力がかなり必要ですし、初心者だと景色を見る余裕があまり持てない人が多いんじゃないでしょうか。その点、e-MTBだと歩くのと同じ強度で、長い時間走り回れる。アスリート気質の人には物足りないかもしれませんが、そのあたりは好みですね。ただ、自然に親しむという意味では、間違いなく優れたギアなのは間違いありません。
――なるほど。
電動の要となるバッテリーは重いので、カーブでやや振られる印象はありますが、その分、急な坂でも立ち漕ぎする必要はありません。斜度20%というかなりの角度でも登っていけますよ。
――紅葉シーズンにライドするのも良さそうですね。
ええ、MTBのハイシーズンは11月から冬にかけて。夏は木々の間に蜘蛛の巣が張られていたり、草が生い茂っていて大変。秋や冬なら、それらに煩わされることがありませんし、何も音がしないなか、落ち葉を踏むタイヤの音と、自分の息遣いだけが聞こえてくる。なによりの至福の時間を過ごせます。


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