アイコニックなモチーフやロゴには、黄門様の印籠のごとく問題を収め、装いに格さん……もとい“格”を与えるパワーがある。が、これ見よがしにひけらかすのは不粋の極みオジサン。ほら、ご老公の印籠も、ここぞの局面まで控えているでしょ?
あくまで脇役として、さりげなく使うのが絶対だ。
「クロムハーツ」のベルトとネックレス
胸元に光る22Kのネックレスは、ミニマルな22Kチャームにピラミッドプラスモチーフが施されている。クロムハーツならではの繊細にして力強いデザインが、小粒でもピリリと、いや、キラリと存在感を主張する。
一方、ウエストに堂々と鎮座するのは、ブランドのシンボリックな意匠があしらわれた定番のローラーモチーフのベルト。ただし、バックルは初登場となるブロンズというのが新鮮かつツウ好み。
22Kともシルバーともひと味違う輝きは、渋みのある大人にこそ似合い、その風格はTシャツの裾からチラリと覗かせるだけでも周囲がひれ伏すほど!?
「ルイ・ヴィトン」のベルト
常に動向が注目されるファッション界のヒーロー、ヴァージル・アブロー。今シーズン、彼がコレクションを象徴するモチーフとして発表したが、世界各国の国旗をパッチワークしたようなコラージュのデザインだ。メゾンのアイコンたるイニシャルデザインがかたどられたレザーベルトも、そのひとつである。
面白みのないスーパーベーシックに陥りやすいデニTスタイルに小さいながら彩りを添え、さりげなくもキャッチーなウエストマークに。正義のヒーローに憧れ、オモチャの変身ベルトで強くなれた幼少時代よろしく、大人の男のお洒落を強く変身させる一本になるに違いない。
※本文中における素材の略称は以下のとおり。K22=22金、BRNZ=ブロンズ
平井敬治=写真 坂井辰翁=スタイリング TAKAI=ヘアメイク 髙村将司、いくら直幸=文