>【前編】を読むサラリーマンからモデル、俳優に転身し、36歳でムード歌謡グループ『純烈』で歌手デビュー。昨年には悲願の紅白出場も果たした小田井涼平さん(48歳)。
各地域の健康センターを中心に活動し、幅広い年齢層から支持される『純烈』は、全国各地で行われるライブやディナーショーに飛び回る多忙な日々を送る。オフと呼べる日はほとんどない。
結成から10年。ここまでくる道のりは決して平坦なものではなかった。唯一のレギュラー仕事だったキャバレーの営業で、客に土下座を強要されたこともあるという。男性客の気持ちを掴むために、オネエキャラに徹した時代もあった。
「辞めようかなって思ったことは、いっぱいありますよ。それはきっとメンバー全員じゃないかな。でも応援してくれる人が多からずともいたから、ファンに対して何も結果を残すことないままでいいのか、失礼じゃないかっていう自問自答が常にありました。僕のなかで『もうしんどいから』っていうのは、人前に出せる理由じゃないから」。
『辞める』には人前に出せるだけの、ファンが納得できるだけの理由がいる。“つまらなかったら辞めよう”。そう思って飛び込んだ『純烈』の活動を10年以上続けられたのは、応援してくれるファンの存在と意地があったからだった。
「つまんないままで終わったら自分の選択が間違っていた気がして悔しいじゃないですか。だから結局、面白くなるまでやっちゃうんですよね(笑)」。
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