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2019.08.31

ファッション

ソールに素材に足型計測。ニューバランスが990点を出し続ける理由

正しい歩き方と新しい靴選び●歩きたいから靴を履くのか? お気に入りの靴を履きたいから歩くのか? どちらの人にとっても靴と歩くことには密接な関係がある。歩き方もファッションも正しくあるために、知っておきたい新しい靴選び。
前編で紹介したニューバランスの990モデルの履きやすさの秘密。

ニューバランスのスニーカーは、一度履くと止められないと言われるが、そこまで信頼される理由はなんなのか?
それを探るべく、ニューバランスのPRスペシャリスト小澤真琴さんにスバリ聞いてみた。ニューバランスのスニーカーって、なんでそんなに履きやすいんですか?
 

重さも疲れも軽減するスニーカー

——最近は厚底のランニングシューズが注目を集めています。ニューバランスでもそのようなアプローチは増えているのですか?
小澤 厚底に限らず、時代にマッチしたソールの開発は常にしています。かつてランナーの走り方は、かかとから着地してつま先側で蹴り出すというスタイルが一般的でしたけど、今は、スピードランナーは特に、かかとから着地はしません。中足部で着地する前提で開発されたモデルもありますし、またスピードを重視するために反発性に特化したシューズや、クッション性のためにソールを厚くしたモデルも出しています。
——エンキャップやアブゾーブとは違うテクノロジーということですね。
小澤 そうですね。いまニューバランスでいちばんの厚底は5cm程度。それは、フレッシュフォームというミッドソールのプラットフォームのものです。単一の素材で潰れやすさと潰れにくさ、両面の特徴を持たせてクッション性と安定性を両立しています。
——より反発力に特化したソールもあるんですか?
小澤 今季に新しく出たフューエルセルというシリーズは、実際に履いて走ると、パン! という反発性が感じられると思います。しかも、通常、反発力を追求すると重くなるのですが、フューエルセルは、軽さも実現させているのが画期的なポイントです。
右がフレッシュフォーム、左が厚底のフュエルセル。NBの新しいテクノロジーを反映したランニングモデルだ。
右がフレッシュフォームの中でも一番厚底のフレッシュフォームモア、左がフューエルセル レベル。ニューバランスの新しいテクノロジーを反映したランニングシューズだ。
——「990」に踏襲された伝統のテクノロジーとは違う、新しいものもどんどん出てきているということですね。
小澤 実は、990モデルに関しても、3Dプリンターでミッドソールを作ったv5のスポーツタイプが6月に限定発売されました。そうやって、最新のテクノロジーを使って走行性能を高めるということは、常にあらゆるモデルでトライしています。
990v5のデザインを原型に、ヒール部分に3Dプリンターで出力したパーツを使用した“990 sport”。
990v5のデザインを原型に、ヒール部分に3Dプリンターで出力したパーツ「トリプルセル」を使用した「990 sport」。
——なるほど。でも近未来的なデザインであったり、いかにも見た目がハイテクなものはニューバランスのイメージにはないように思いますが。
小澤 見た目がハイテク、ローテクを問わず、デザインありきで新しいモデルを作るということはありませんね。ニューバランスには「データ トゥ デザイン」という考え方がありまして、アスリートやランナーから実際にデータを取り、常にその情報からデザインを起こしているんです。ですので、すべてのパーツに実用的な意味があります。
——そうなんですね。あとニューバランスといえば、お店で購入するときに、足の形やサイズを3Dスキャンで計測するというサービスもありますよね?
小澤 はい。直営店であれば、どこでも計測サービスが受けられます。専用のスキャナーの上で靴を脱いで360°スキャンすることで、足の形とサイズを3D計測します。
それでぴったりマッチするモデルやサイズを導き出すのですが、例えば990シリーズのグレーのモデルであれば、同じサイズでも足幅がほっそりしたものと、普通、甲高幅広という3タイプを用意していますから、より自分の足にフィットするものを選べます。ほかのモデルでも、足幅のサイズ(ウイズ)を選べるものが多くありますので、時間をかけてフィッティングすることをオススメしています。
直営店に設置され3Dスキャナー。靴を脱いでスキャナーに乗れば、約10秒ほどで採寸は終わる。
3Dスキャンをすれば、即座に足幅、足長、土踏まずの高さなどが割り出せる。これを元に試着して、最もフィットするモデルが購入できる。
——ニューバランスが履きやすいと誰からも言われる理由のひとつは、自分の足のサイズと形に合ったモデル選びができることかもしれませんね。
小澤 確かに自分にマッチしたサイズと形がわかれば、満足したフィット感が得られますね。足のサイズは前後長さだけではなく、甲の高さで大きく変わりますから、実際に採寸することはとても大切です。本当にフィットしたシューズは、重さが気にならず、疲れにくいですから、自分に適切な1足に出合うことは、これまでの生活が変わると言っても過言ではないぐらい大きなことだと思いますよ。
 
[話を聞いた人]
小澤真琴さん
ニューバランス ジャパンで長年PRに携わってきたスペシャリスト。自身もランナーとして、国内外のランニングイベントや大会にも積極的に参加している。
 
長谷川茂雄=取材・文


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