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例えば「のび太の模型鉄道」(『ドラえもん 39』〈てんとう虫コミックス〉小学館)という話があります。
のび太が鉄道模型をコツコツと作り上げました。うれしくて皆に自信作を見せようとしましたが、スネ夫の家で、逆にその10倍以上もあるような大きな鉄道模型を見せられたのです。ショックを受けたのび太は、とぼとぼと家路につきましたが、くじけることなく、スネ夫よりすごいものをつくるという目標を達成するために、ドラえもんから2つのひみつ道具を出してもらいます。
まず、簡単に地下室がつくれる「ポップ地下室」で広い地下室を用意。そして、写ったものを本物にして出してくれる鏡「フエルミラー」を使って、鉄道模型に必要な素材を一気に集めました。
そうして、のび太は連日のように学校から飛んで帰り、日夜製作に励み、スネ夫がびっくりするような鉄道模型を作り上げます。のび太は一貫してスネ夫の自慢や「うらやましい」と思うことに対して、自分もそれ以上のものを手に入れようと努力します。ひみつ道具の力を借りれば「自分も何かできる」とのび太は信じているので、何事にもくじけない心を持つことができたのでしょう。
つまり、「自分ならできる」と信じ、目標から逆算して、あらゆる手段を講じて頑張った結果、報われたのです。
大きな壁にぶち当たったときに、できないと諦めるのではなく、できると信じて、目標から逆算して、手段を講じて実行していくことは、現代のビジネスマンにとって、仕事に取り組むうえで非常に大切なことだといえます。

やりたいことは口に出して宣言する

のび太は話のなかで失敗をしながらも、数々の夢ややりたいことを実現しています。つまり結果を出しているのです。その秘訣のひとつが「夢をただ頭の中でぼんやり考えるだけではなく、声に出して自己宣言しているところ」です。
「のび太と雲の王国」(『大長編ドラえもん 12』〈小学館コロコロ文庫〉小学館)では、のび太は天国があると授業中に宣言し、先生からも周りの級友からもバカにされます。
「羽衣伝説」や「ジャックと豆の木」を例にし、ドラえもんに雲の上に天国があったことを力説します。しかし、ドラえもんは、人工衛星が上空から地球上をすみずみまで調査したが、天国の存在を証明するものは、何も見つけていないと説くのです。


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