落書きの教科書と外ばかり見ていたとき。はたまた、教室のいつもの席で何に従い従うべきか考えていたとき。背中を押してくれる存在はいたか?
そんな質問をされたら、40歳前後のオーシャンズ世代ならば「尾崎 豊」と答える人が多いはず。
しゃがれた歌声と尖った歌詞は、思春期の我々の心を何度も動かした。
デビュー以降、アコースティックギターを愛用していた尾崎が後年、相棒として迎え入れたエレキギターと言えば、フェンダーのテレキャスターだ。
テレキャスターはラストツアーとなった「BIRTH」でもメインで使われていて、未だに悔やまれる開催中止となったツアー「放熱への証」でもきっと使われるはずだったに違いない。そんな特別なギターは昨年、彼の二十七回忌に合わせて1日限りで展示され話題となった。
そして今年、現在では廃盤になっている当時のモデルをフェンダーがリイシュー(再発)し、販売することを1年越しに実現。
尾崎 豊の使用したモデルが、フェンダーが誇る最高峰の職人、マスタービルダーたちの手によって“17本”限定で蘇った。
その姿がこちら。
どこからどう見ても、あの頃僕らが見ていたままのテレキャスター。カラーやフォルムはもちろん、ネックの形状や太さなど細部のパーツも忠実に再現している。
さらに、尾崎が所有していたモデル同様、アウトプットジャックのプレートには現在の丸型ではなく、スクエア型を採用しているというこだわりにも注目したい。
ファッションも遊びも、いくつになってもあの頃の気持ちを卒業できずにいるオーシャンズ世代。
27年の時を経て復刻された尾崎 豊のギターは、心の地図の上でこれから起こるすべての出来事を照らしてくれる「四十歳の地図」となってくれるはずだ。
[問い合わせ] フェンダーミュージック 0120-1946-60
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