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オーガニックコットンが生まれる景色、手摘みの手間

賀曽利さんは中国奥地にあるオーガニックコットンが栽培されている畑へ初めて訪れたときのことをこう振り返る。
「畑が白くないんですよ。農薬や除草剤を使ってる綿畑は出来がいいから、ひとつの枝にたくさんコットンがつく。だから畑が真っ白に見えるんです。それに、育ちもいいので背丈が高い。だけど、オーガニックコットンは背が低くてコットンの数が少ないから畑が茶色に見えます。風景がもう、違うんですよね」(賀曽利さん)。
それを、綿の組織を壊さないように全部手摘みして生地を作っていくのだとか。
現在、無印良品の衣類に使われている綿は、すべてオーガニックコットン。こちらは、中国新疆ウイグル自治区にあるオーガニックコットンの畑。ここで採れた綿が、無印良品のシャツやTシャツとなって店頭に並ぶ。
賀曽利さんと中嶋さんはどちらもその畑を訪れていて、種を植えるところから、半年後の収穫までを経験している。当時を思い出して、中嶋さんは思わず苦笑い。
「実際に行くと砂漠みたいなところで、寒暖の差が激しいんです。風も強くて、目を開けていられないくらい。でも、こういう自然環境が厳しくて虫が少ないところだからオーガニックで綿が育てられるんだなと、行ってみて初めてわかるんです」。
このように生産の現場を見ることで、適正な値段と品質を維持している無印良品。そのコストパフォーマンスの高さには驚くばかりだ。
着る人につくる人、そして地球環境。みんなに優しい無印良品の服づくりは、こうして成立している。
「ビジネスを通して、人々の役に立ち、社会貢献するというのが無印良品の考えなので」と賀曽利さん。ポツリとつぶやいた最後のひと言がまた、印象的だった。
 
[問い合わせ]
無印良品 池袋西武 03-3989-1171
高橋絵里奈=写真 今野 壘=文


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