>連載「Good Packing Guy」を読む先日終わったばかりの超大型連休では、長期旅行を楽しんだ人も多いのでは? けれど、現地で買ったアイテムの収納に頭を抱えた人も中にはいるはず。
そう、楽しみでいっぱいの旅行だが、どうしても荷物が増えてしまうのは、永遠につきまとう悩みのひとつである。
キャリーバッグに荷物が収まりきらず、お土産の箱を潰したり、泣く泣く処分したり……。こんな苦い経験はよくあること。しかしせっかくの旅先。そのために大きいバッグをいくつも持ち歩くのは避けたいところ。なんとかコンパクトかつ快適に旅先で過ごす方法はないものだろうか。
今回はそんな買い物好きで、帰りの荷造りに困らないミニマムなパッキングを実践する人物に、旅道具を見せてもらった。
登場してもらうのは、東急東横線・都立大学駅近くにあるショップ「GALLERY STORE(ギャラリーストア)」オーナーの岡村奈津樹さん。
ギャラリーストアは、アパレルから雑貨までのアイテムが並び、アーティストの作品を展示するギャラリーも開催。そして普段お店を訪れた人へ自身が淹れたコーヒーを振る舞うなど、コミュニティを生む場所としても機能する空間となっている。
仕事やプライベートで年に数回は海外へ行くという岡村さん。アメカジ好きということもあり、アメリカを中心に世界各国を訪れている。
その際のパッキングについて尋ねてみると「とにかく荷物は減らすのが、私のパッキングの特徴かもしれません」とのこと。
そんな彼のパッキングを見れば、買い物好きが陥る問題も、サラッとに解決できる糸口を伝授してもらえる予感!?
旅の相棒は、丈夫で軽いリモワ
1週間分の荷物は、このリモワにパッキング。その丈夫さで世界中に愛用者の多い同ブランドだが、このモデルは80Lもの大容量ながら、重量3.3kgと軽いのもポイント。
「長期旅行へ行くとお土産や現地で購入した服など、帰りに荷物が増えるのは毎度のこと。なのでキャリーは大容量が前提。帰りにどんなに荷物が重くなっても、このキャリーならボディ自体が軽いので持ち運びがラクです。開くと左右の荷室はメッシュで覆われているので、小さな物が飛び出したりしないのも安心」。
雑多に扱えるタフさがポイント、折り畳めるバッグたち
岡村さんが旅先へ持っていくバッグは、キャリー以外にも2つあるそう。
ひとつはパタゴニアのバックパックで、滞在先での移動中はこれを持ち歩く。もうひとつは、米軍のダッフルバッグ。現地で購入したアイテムが入り切らない場合のサブバッグとして活躍している。
特にバックパックは軽いナイロン素材を採用し、トップのポケットへ本体をしまえるパッカブルタイプで、持ち運びは非常にコンパクト。しかし、水濡れに強くタフなので、長年旅のお供を勤め上げている。
またダッフルバッグに至っては、帰りの飛行機では席に持ち込まず預けることがほとんど。荷物を預けると破損などのトラブルも耳にするが、全く問題ないというタフさは、さすがはミルスペック。
そのまま持ち運んでも様になるので、飛行機旅には必ず連れていく岡村さんイチ押しのアイテムだ。
服のバリエーションは割り切って、着替えは2泊分程度を着回す!
長い場合で1週間程度の旅が多いという岡村さん。しかしどんな日程にもかかわらず、着替えは2日分程度しか持たないという。
必ずランドリーバッグを持参し、滞在先のコインランドリーで洗いながら着回しているとか。
「下着はもう少し多めですが、チャンピオンの白T2枚と、ナイキのソックスが毎回の定番。どんなシーンにも対応できて、インナーにもなる白Tはとにかく便利ですね。定番のアメリカブランドはどこでも扱っているので、最悪現地で買い足しもできます」。
ショッピングを存分に楽しみたいなら、着るものは多少限定するのもひとつの手と言えるかも。
防寒は、多機能に使えるコンパクトなアイテムを
着替えとは別に持っていくのが、防寒用アイテム。普段も着ているという、アメリカ発アウトドアブランドのアークテリクスのシェル。撥水性もあり傘代わりにもなるため、欠かさず持っていく。
また、アメリカで見つけたヴィンテージのブランケットも、大事な防寒アイテムのひとつ。「宿泊先でエアコンの調整が上手くいかない場合、布団の上に掛けます。現地では車での移動が多いですが、ブランケットなら持ち歩けるので、少し寒いとき羽織ったり足に掛けたりできて便利です」。
小さく折り畳んで、手ぶらで遊べるパッキングを目指す!
「実際、ほぼこの程度の荷物だけで1週間過ごします」と話す岡村さんのパッキング。
今回見せてもらったアイテムは必要最低限ながら、機能性だけでなくデザインにも気を配りつつ、とにかくミニマムに収めているのがわかる。そして、どれも滞在先でスムーズかつ快適に過ごせることも念頭に置かれたチョイスというのもお見事。
岡村さんのパッキングを真似すれば、旅先で困ることなく思い出づくりを楽しみ、帰りはキャリーいっぱいにお土産を詰め込むことができるはず。
買い物好きはぜひとも参考にし、荷造りに悩むことなく現地でのショッピングを楽しんでもらいたい。
櫛ビキチエ=撮影 金光照子=取材・文