実際のフレームを用いて、さらに目と顔の情報を取得
高橋「次は、ツァイスの『i.Terminal2』というもうひとつの機械で、実際のレンズと瞳孔の位置がどうなるかを測定していきます」
――ここで、実際のフレームを種さんにフィットさせた状態で、計測していくんですね。高橋「はい。この作業は実際にお使いになるフレームで行います。種市さん、レンズの色は、どうしましょうか?」
種市「本当は、贅沢を言うと、すべてのレンズカラーをこのフレームに当て込んで、ひとつひとつ試して確認したいところなんですが……」
高橋「すみません。それはさすがに(笑)。ただし、レンズカラーが仕上がりイメージと違ったら、無料で作り直しいたしますので、ご安心ください」
一ーえ? 本当ですか?高橋「はい、もちろん何度もではないですが、仕上がらないとわからないこともありますので。これは、マイキータの通常サービスとして提供させていただいています」
種市「さすがドイツらしいというか。ファッションブランドとのコラボレーションも多くて、スタイルを重視するマイキータさんらしいですね。感動しました。じゃあ、思い切ってこの山城新伍カラーに」
――ギャグが昭和ですよ、令和の時代に。高橋「山城新伍、私もわかります」
一店長!(笑)高橋「色は、マイキータオリジナルのグレーになります。では、フレームを顔に調整していきますね」
種市「こんな機械があるんですね」
高橋「先程のデータをもとに、レンズと黒目の焦点の位置を合わせます。また、目の動きの癖も参考にして、レンズのどのあたりに老眼の矯正を入れていくか、なども個人に合わせて変えることができるんです」
――ここまでやれるメガネ店はほとんどない気がします。種市「ここまで細かく測って調整してくれたら、初めてでも安心ですよね」
――仕上がりは、どれくらいですか?高橋「このデータをドイツに送って現地の職人が作業しますが、それでも2週間程度ですね。国内作業の場合は、10日くらいで仕上がります」
種市「早くないですか? スーツだって仕上がりませんよね」
――ドイツでの作業で2週間は早いです!高橋「ひとまず、本日はこちらにて終了です」
種市「ありがとうございました! 完成が楽しみです」
すべてを決めて、いざドイツにレンズ発注を済ませた種さん。およそ2週間程度の完成を待つ。調整用レンズを初体験しただけで「見えすぎて怖い」との予感、そのメガネの仕上がりはどうなることか?
次回、感動の完結編は見逃し厳禁!
PROFILE
たねいちあきら●1972年生まれの46歳、東京下町出身。サーフィンを愛する海男。長年勤め上げたビームスを退社し、現在はフリーランスとしてブランドのコンサルティングやプロダクトのディレクションなどを手掛ける。連載中の
「種カジのタネあかし」はコチラ!
種カジのこぼれ話満載のインスグラム
@taneichiakiraも要チェック。
※ツァイス(カールツァイス)とはカールツァイスは、精密光学のパイオニアとして、170年以上にわたり光学技術の分野をリードするドイツの世界的レンズメーカー。メガネから顕微鏡、医療機器やプラネタリウムまで、長年培った高度な知識と技術を活かし、高精度なレンズを提供し続ける。
www.zeiss.co.jp/vision-care山本 大=写真 髙村将司=取材・文