夜の銀座を歩くOLたちに聞いた、仕事飲みでのオッサンNG言動集

酒のプロフェッショナルたちに、店での嗜み方は学んだ。では宴会での嗜み方はどうか。酔った勢いでセクハラやパワハラ的な言動に走る、いただけないオヤジになっちゃいないか？
今回は、OLが集まる「銀座コリドー街」に赴き、世の女性陣が男性から受けた酒席での迷惑行為について街頭インタビューを実施。そこで浮かび上がったのは、想像を上回る非常識なKYオヤジたちの哀しき姿だった。
 

【KY発言1】「ワイフ・ポテンシャル低いね」
→余計なお世話！

最初にお答えいただいたのは、外資系企業に勤める20代前半の女性たち。「今となってはネタになってますけどね〜」と言いつつ、ある酒宴で発せられた上司からのひと言に取材陣も思わず唖然。

——上司たちと飲みに行くケースは？
Aさん：あるある！ 明日あるよね？
Bさん：そうだね。
——それは絶対参加？
Aさん：いえ。自由参加です。
——会社の飲み会は誘われたら喜んで行きますか？
Aさん：面子によりますね（笑）。
Bさん：私はそんなに行ったことがないかも。
——なぜ？
Bさん：そもそも上司と会話が続かないんですよ。自分の意見をあらかた言って、人の意見を全然聞かない人だから。プライベートの時間を共有したくない（笑）。
Aさん：アハハハ！
——飲み会で若い女の子たちの前で自慢話して悦に入るオヤジもいますからね〜。
Bさん：それ、キモいだけです（笑）。上司がいないときは行きます（笑）。
Aさん：それだったら私も、「お前ワイフ・ポテンシャル、低っ！」って言われたことありますよ。サラダとかあまりきれいによそえなくて。
——ワイフポテンシャル!? ひどい！
Aさん：今ではネタになってますけどね（笑）。
Bさん：あー、私は絶対無理！
 

【KY発言2】「ホヤ貝って卑猥だよね」
→しょうもない下ネタにクライアントまで凍った。

こちらの30代前半の女性は、先日行ってきた東北出張時の出来事を。クライアントとの食事会で、当時の上司が放ったひと言が大きな波紋を呼んだ。

——お酒の席で、迷惑行為にあったことはありますか？
Cさん：先日、東北出張へ行ったのですが、クライアントとの食事会のときに上司が言ったひと言に引きました。テーブルにホヤ貝が出たのですが、それを見て「なんかホヤ貝って卑猥だよね」と言ったんです。もうドン引き……。
——それはいただけないですね……。
Cさん：拾ったらヤケドすると思ったので流しました。クライアントも“どスルー”でしたけど。
——上司は何歳ぐらいの方ですか？
Cさん；50歳ぐらい。でもその人、女の子にモテたいオーラ出まくりの人で。結構大きな声で言ってましたから、相当自信があったんじゃないでしょうか。
——最悪なパターンですね。
Cさん：セクハラだし、スベってるし、空気読めてないし。
——スベってる空気を楽しんでいたとか？
Dさん：あ〜、でもスベってもいい人とそうでない人っていませんか？ 完全に後者です、あの人は。
——Dさんも、こういった経験ありますか？
Dさん：中途採用で入ってきた方の歓迎会で、私も隣の部署だったので誘われて行ったんです。そのとき、私の若い頃の失敗談を永遠に話されて……。初対面の人にそんなこと言わなくてもいいですよね。かなりイラっとしました。
——いますね、この手のオヤジも……。
Dさん：ありえないですよね。ほかに話の引き出しがないかと思うと、もはや、かわいそうですけど（笑）。
 

【KY発言3】「セクハラじゃないよね？」
→しつこい確認がすでにセクハラ！

続いては、「久々に会う」という20代後半の仲良しコンビ。過度なボディタッチは厳禁というごもっともな意見もありつつ、どうやらセクハラを気にし過ぎているオヤジたちにも物申したいようだ。

——酒席でイヤなオヤジに出会ったことはありますか？
Eさん：きわどいな〜ということ言ったあとに、いちいち「これ、セクハラじゃないよね？」って確認してくる人いません？ 
Fさん：それヤダ！ 確かにやたら言う人いるよね。あと、私は社長がいるなら飲み会に行かない。こんなふうに（写真のように）抱きついてきたりとかするし。
——抱きつく!? それはひどい。一方で自分の行為がセクハラかどうかを気にする人も増えているんですね。
Eさん：まぁ気にするのはわかるんですけど、しつこいと面倒くさいですね。
Fさん：あと、男同士で喋ってるちょっとHな話とかをたまたま横で私が聞いていただけで、「これセクハラじゃないよね？ 大丈夫だよね？」と言ってくる人。それで、周りも同調して「やめましょやめましょ」みたいな（笑）。
Eさん：全然気にしてないのにね。
Fさん：自意識過剰。そのあとも、5分に1回は聞いてくる。本当にうっとうしい（笑）。学生じゃないんだから。直接私が聞かれてるわけでもないし、男同士で楽しんでるだけだから別にいいのに、「これ大丈夫？ これを聞いたからって訴えないでね」とか。
Eさん：ありえない。そうやって聞いてくるほうが神経を逆なでてる。「お前、本当は聞かせたがってるだろ」みたいな（笑）。
——セクハラ確認セクハラってことか。
Fさん：それさえ言っとけばセクハラまがいの発言もOKと思ってそうでウザい。
Eさん：ほんとほんと！
 

【KY発言4】「お前、髪結ぶとブスだな」
→お前も全然かっこよくねーんだよ！

最後に、医療に携わる20代女性の心の叫び声。

——酒宴で迷惑行為を受けた経験はありますか？
めちゃくちゃありますよ。「お前、髪結ぶとブスだな」とか。私が社会人1年目のとき先輩に言われました。トイレから戻ってきたらいきなり言われたんですよ。「お前も全然かっこよくねーんだよ！」と心の中で叫んでました。
——その人が不器用で「髪を結んだほうが可愛いよ」という意味では？
10000歩譲ってそうだとしても、デリカシーなさ過ぎます。
——もちろん、許されることではないですね。
あと、「どこ出身なの？」と聞かれて「東京です」と答えたんです。そしたら、「東京のどこ？」と聞かれたので「練馬です」と答えたら「あ〜田舎ね」みたいに言われて。「あんたどこ出身なのよ！」って叫びましたね、やっぱり心の中で（笑）。一応“エライ人”だったので。
——とことん許せないですね……。
医療職で勘違いしている、悲しい人だったんですよ。あの高い鼻っ柱をへし折ってやりたい（笑）。
 
みなさん、仕事における酒席でマナーやデリカシーを守れていますか？ あからさまな悪意のある言葉はもちろん、ふとしたひと言でも相手を不快にする可能性はある。みんなで美味しい酒を飲むためにも、オッサン諸君、グラスを持つ手をまずは、胸に当てて考えよう。
 
菊地 亮＝取材・文