見るモノ変わるメガネの世界 迫りくる老眼、ブルーライトとの戦い。年齢や時代とともに気になることが増えてきた目とメガネにまつわるアレやコレ。正しい知識と選択で、自分の視界も他人の視線もガラッと変わる。見るモノ変わるメガネの世界、ご覧あれ。
世界一のメガネショップ、GLOBE SPECS(グローブスペックス)」代表の岡田哲哉さんに聞く、オッサンこそ知るべき最新メガネトレンド。
彼の口から出たキーワードは、聞き慣れない「トランスペアレントカラー」という言葉。何やら今季トレンドを賑わす予感らしい。
トランスペアレントカラーとは何か? そして、そのオススメの3本を聞いてきた。
メガネトレンドの新機軸は、半透明の「トランスペアレントカラー」 前回のメタルフレーム・ガイド でも紹介したように、年齢を重ねたオーシャンズ世代の渋みを活かすには、主張が少ない名脇役的なメガネがオススメ。
「比較的印象の強いセルフレームでその条件を満たす最新スタイルが、「トランスペアレント(英語で「透明な」という意味)」です。いわゆるクリアカラーフレーム。メタルよりも太いセルフレームながら、半透明のため軽やかな印象を与えてくれますよ」(岡田さん。以下カッコ内はすべて)。
セルフレームながら、印象は軽やか。そんなトランスペアレントカラーのメガネから、岡田さんオススメの3本をセレクト。
オススメ【1】新鮮な定番色 アーレムの「Rue Basquet」 フランス出身デザイナーがLAを拠点に展開するブランド、アーレム。フランス出身らしい高い美意識とLAのリラックス感が融合したアイウェアは、日本でも人気急上昇中だ。
4万4000円/アーレム(グローブスペックス エージェント 03-5459-8326) 「いつもの定番色をトランスペアレントカラーで取り入れるだけでも、グッと軽やかな印象になります。特にこちらの少し透け感のあるネイビーなら、どなたでも掛けやすいと思いますよ。
そして、さらなる遊び心として、フレームの上の部分に角を持たせたクラウンパントというデザインを選ぶのもオススメです」。
▼このメガネを掛けたらこうなる 「クラウンパント自体はトラディショナルな形ですが、ここ数年再ブレークしている人気のデザインです。トラディショナルなデザインを、旬なカラーで取り入れてみてはいかがでしょうか」。
オススメ【2】今年急増中の最旬カラー レスカ・ルネティエの「G.BURT」 メガネの産地として名高いフランスのジュラ地方でメガネ作りに携わってきたレスカ家によるブランド。こちらは小振りなレンズサイズながら存在感のあるフレームが印象的なラウンドタイプ。
3万7000円/レスカ・ルネティエ(グローブスペックス エージェント 03-5459-8326) 「トランスペアレントカラーの流行を象徴する色のひとつがこちらの柔らかいグリーンです。昨年まではヴィンテージカラーと呼ばれるイエロー系が多かったですが、このグリーンを筆頭に今季は豊富なカラーバリエーションが登場しています」。
▼このメガネを掛けたらこうなる 「半透明の爽やかで柔らかい印象を活かして、少し難しいラウンドタイプにチャレンジしてみるのに打ってつけの1本だと思います」。
オススメ【3】横顔を引き締めるコンビネーション ロバート・マークの「877」 米国のアイウェアシーンをリードし続けるロバート・マーク。淡くほんのりとピンクがかったクリスタルカラーを用いて、オーソドックスなデザインを最旬な印象に進化させた逸品。
4万1500円/ロバート・マーク(グローブスペックス エージェント 03-5459-8326) 「トランスペアレントカラーのフロント部分とブラックのテンプルを合わせたコンビネーションは、正面から見ると印象は柔らか、しかし横顔はしっかりと引き締めることができます。
オススメはほのかなピンクとブラックの組み合わせ。よりメリハリがあり、お互いの良さをしっかりと引き出してくれます。
実は、このクリアピンクはその昔、トルーマン元米大統領をはじめ、アメリカの各界要人が愛用していたことでも知られていて、モダンスタイルの象徴としてブームになったカラーです」。
▼このメガネを掛けたらこうなる 「今季はそのブームの再来の兆しも見えてきました。大人の先物買いとしても、ほのかにピンクが利いたこちらをセレクトするのもアリだと思いますよ」。
メガネの最旬、トランスペアレントカラー。初めてのメガネとしてはもちろん、メタルフレームのネクストチョイスとしても、これらを狙ってみてはいかがだろうか。
[教えてくれた人] 岡田哲哉さん 世界各国のさまざまなアイウェアブランドを販売する「
グローブスペックス 」の代表。毎年イタリア・ミラノで開催されている世界最大規模の眼鏡展示会で世界一の眼鏡店を選出するBESTORE AWARD 2017、2018の最優秀賞を受賞。ファッション好きからの信頼も厚い日本が誇るメガネマイスターだ。
黒澤卓也=取材・文