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【2】目線がなくてもシャッターチャンスはあると心得よ

「子供目線」で留意すべきはアングルだけではない。子供のベストショットといえば、表情がよくわかるアップや正面からの写真がいちばんと思いがちだが、子供の目線の先にある「景色」に焦点を合わせると、その瞬間、子供が何を見て、何を感じ、どんな表情をしているか、子供の感情を間接的に表現できる場合もある。
例えばこの2枚を比較してみよう。
撮影写真
子供を真正面から、中央に捉えた写真。(野尻さん撮影)
撮影写真
目線の先にある空間を撮影。(野尻さん撮影)
子供の表情がわかる正面から捉えた写真も悪くないが、広々とした芝生をメインにすることで、芝生を歩く子供の「ワクワク感」が伝わってくる。
大胆に余白を取ることで景色や光が強調されるので、その瞬間の空気感が取り込まれるのも面白い。これを踏まえて撮影してみると……。
撮影の様子
目線がなくてもいい写真が撮れると知り、余裕が生まれた。
camera
14_yoshizawa_san_070A1167
好奇心に満ちた眼差しを捉えた1枚。(野尻さん撮影)
15_yoshizawa_san_070A0124
シャボン玉に夢中になっている2人を激写。(野尻さん撮影)
14_yoshizawa_san_070A1167
15_yoshizawa_san_070A0124
 
より自然な表情や、楽しむ様子を1枚の写真に収めることができた。だが、「子供目線での撮影は結構腰にくる(笑)」と野尻さん。ベストショットを狙うにはオトーチャンの体力も必要そうだ。
次回は、光を味方につけてよりドラマティックに思い出を切り取る方法を教えてもらおう。
吉澤健太(カメラマン)
ファッション、インテリア、車、時計、旅……多岐にわたるジャンルから引っ張りだこのカメラマン。クリエイターのためのワークスペース「rakuda」を運営しており、クリエイター同士の交流 、情報発信の場となるワークショップなどの活動にも取り組む。カメラ選び、写真の撮り方、子供撮影など個人向けの依頼も請けている。
井出眞諭=写真 諫山由梨子=取材・文


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