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逆光撮影の正解は、「絞りを大きくして、煽って撮る」

さらに光を活用してドラマティックに撮りたいなら、「逆光」での撮影も覚えておきたい。
「逆光」とは被写体の背後から光が差している状態のことを指す。被写体が暗くなるため、一般的には避けられがちだ。けれど、印象的な瞬間を押さえるには、あえて被写体をはっきりと映し出さない「逆光」も有効な方法なのだという。
まずは、どこから撮ると逆光で撮影できるのか、自分の影を見て確認しよう。
カメラ実践編2-2
11_D812941_t1
被写体の正面から光が当たる「順光」で撮影すると、影が被写体の後ろに伸びる。
12_D812938_t1
「逆光」で撮影すると、影が被写体の前に伸びる。
11_D812941_t1
12_D812938_t1

被写体の前に影が来る位置を見つけたら、そこが逆光で撮影すべきポイントだ。

撮影の様子
順光で撮ると……。
撮影シーン
はっきりした写真になるが、ドラマティックではない。
撮影の様子
逆光で撮ると……。
撮影写真
サンドイッチを頬張るシーンもドラマティックに。
ちなみに逆光で撮る際には、影ができて暗くなりがち。そんなときは露出補正機能(EVシフト)を使いたい。
「『絞り優先(A/Av)モード』に設定していると、カメラが自動的に適正な露出(明るさ)を設定してくれますが、それよりも被写体を明るくしたい場合は、EV値をプラス補正するといいですね」(吉澤さん)。
ここでEV値の説明を少しだけ。EV値=明るさの単位。つまりはその増減で、明るさが調整できるということだ。厳密には仕組みが色々とあるわけだが、「逆光撮影で被写体を明るくしたいときはEV値をプラス」と覚えておこう。
また、逆光で子供を撮るときは、太陽をバックに下のアングルから子供を煽って撮ると成功しやすいという。
何度か練習して感覚をつかむ必要もあるが、「絞り」や「露出補正機能」をマスターし「逆光・順光」の概念を理解できれば、写真のレベルは格段にアップする。光をうまく使いこなして、プロのような仕上がりを楽しみたい。
次回は実践編のラスト! 難度の高い、動き回る子供をラクな姿勢で撮ることができる「望遠レンズ」に挑む。
吉澤健太(カメラマン)
ファッション、インテリア、車、時計、旅……多岐にわたるジャンルから引っ張りだこのカメラマン。クリエイターのためのワークスペース「rakuda」を運営しており、クリエイター同士の交流 、情報発信の場となるワークショップなどの活動にも取り組む。個人向けにカメラ選び、写真の撮り方、子供撮影といった依頼も請けている。
井出眞諭=写真 諫山由梨子=取材・文


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