単なる流行ではなくて、すっかり安定期に入った感すらあるビッグシルエット。だが思い返せばクラブやライブハウスに出入りしていたりスケボーを小脇に抱えてた仲間は、昔からそんなサイジングだった。
大人たちには理解されなかったけれど、 その時々で靴やパンツの変化はあったけれど、おおむね上着はデカかった。
そして大人になった今も、極端なデカさはなくなったにせよタイトさは微塵もない。一説によると、“かぶり”のスウェットパーカ(だいたいヘビーウェイトのボリューム感のあるもの)の上に着ることが多く、重ね着したときに窮屈になるから、おのずと大きな上着を選んでいるというのだ。
そうした着こなしをマイペースに続ける男たちに倣い、久しぶりにデカい上着に袖を通してみてはどうか。こういう服装の大人は、どこかに老けない少年性や自由な雰囲気が漂う。
それは「スタイル」と呼ばれ、一朝一夕で醸せるものではない。だが、そのマインドを、奇しくもファッションの大きな流れとなったビッグサイズの服とともに味わうのは悪くはないことだと思うのだ。
現代のカルチャー派筆頭はこのブランド
絶妙なイナタさが、オーシャンズ世代を多感だったあの頃の気持ちに戻してくれそうな後染めのコーデュロイを使ったブルゾン。足元はこれくらいスタンダードなのがクール。
アイテムに遊び心を、配色にスマートさを
ワイドな形といい、変則的な切り替えといい、ひとクセあるGジャン。着てると「それ、どうなってるの?」って突っ込まれそうなくらいのアレンジ具合がちょうどいい。
古い? 新しい? わからないけど格好いい
定番のトレンチコートの生地感みたいなシルク混コットン素材のスイングトップ。テイストこそレトロだが、超大きめな形は完璧に今の気分。パーカの色合いでカワイげも添えて。
シンプルに着ても存在感たっぷり
同色のリフレクターをあしらった厚手のパーカは程良いスポーティさが都会的。長めの着丈や両サイドにあしらったジップなど、ディテールまで抜かりがないから、着こなしは極力ミニマルに。
コート=コンサバなんてもうとっくに昔の話
芯地を省いたことで、ドロップショルダー&デカめのシルエットが強調されたウールコート。自然なドレープが適度なルーズさと上品さを感じさせるので、大人のストリートスタイルには打ってつけ。
清水健吾=写真 菊池陽之介=スタイリング 松本和也(W)=ヘアメイク 今野 壘=文