機器の組み立ては、かなり簡単。プラモ感覚で楽しめる
ともあれ、とりあえず表示されるWebページや動画の手順に従ってパーツを組み立てていく。
組み立てに必要なのは、プラスドライバーと両面テープ(セロテープでも代用可能)だけ。ハンダ付けのように難しい手順は含まれていないので、組み立てだけなら小学生でも30分もあれば行えるはずだ。
組み立てが完了したら、オブナイズ本体に付属のUSBケーブルをつなぎ、モバイルバッテリーなどの電源と接続すれば準備完了。
小型モニタに表示される手順に従い、オブナイズをWi-Fi経由でインターネットに接続すると、プログラムを行うためのWebサイトにアクセスできるようになる。
プログラミングはブラウザ経由で。無線で機器が操作できるのは快感
これより先が、いわば本番だ。ボード上のモニタに表示されるQRコードを読み取ると、スマートフォンにプログラムを行うためのWebサイトが表示される。
今回はわかりやすいように、PCのブラウザの画面で手順を紹介していく。
最初に表示されるのは、チュートリアルの画面だ。背後に表示されているプログラムを見るだけで、心が折れそうになるが、実際には「チュートリアルを開始」など、指示されたボタンを押していくだけで良い。
指示に従い「実行」ボタンを押すと、記念すべき最初のプログラムが実行される。
ボードのモニタに「Hello World」という文字が表示されれば成功だ。
ちなみに、プログラムはテキスト形式の本格的なスタイルのほか、プログラミング教材でよくある、ブロックを組み合わせる形式の表示に切り替えることもできる。
これまでに、何らかのプログラミング教材を体験したことがある人なら、こちらのほうが親しみやすいだろう。
正直、初心者には厳しいレベル
本格的に学びたい人なら挑戦する価値は十分あり
ここでプログラムの一部を書き換えたりして、徐々にプログラミングのコツをおぼえていくのが基本手順となるわけだが、それではIoT機器の自作にたどり着くまでに、膨大な時間が必要になる。
とりあえず、購入したキットでできることを試していきたいなら、画面上部の「プログラム」メニューから「すべてのレッスン」を選択してみよう。
さまざまなレッスンとサンプルプログラム集が表示されるので、その中から「IoTホームキットレッスン」を選択する。
あとは、表示される項目を順番に追っていくだけで、さまざまなサンプルプログラムを体験できる仕組みとなっている。
プログラムは、各項目の画面に用意されている「Test Open」ボタンを押せば実行されるしくみだ。
今回はひとまず、完成したキットに手(または物)を近づけると、旗が上げ下げされるというプログラムまでを体験してみた。
以降、順番に体験していけば、最終的にスマートスピーカー「Google Home」と連携させるという、かなり高度なプログラムまで実行できてしまうようだ。
このように、体験をするだけなら画面の指示に従うだけなので、初心者でも十分楽しめる「IoT Home Kit」だが、そこからプログラムを編集したり、自作のプログラムが組めるようになったりできるようになりたい場合は、かなり時間がかかるかもしれない。特にプログラムの初心者なら、別途プログラミング(Java Script)の入門書などで基礎を学ぶ必要がありそうだ。
その点で言えば、やはり今回のキットは誰もが気軽に楽しめるというよりは、本気でIoTやプログラミングを学びたい人向けの教材といえるだろう。逆に言えば、本気で学びたい人にとっては、かなり魅力的な教材ともいえるはず。オトナのホビーとして、プログラミングを嗜んでみたいという人には、ぜひ挑戦してほしいところだ。
[取材協力] +Stylehttps://plusstyle.jp/shopping/item?id=292石井敏郎=文