連載「テクが手土産、日帰りDIY」
「Do It Yourself.」 第二次大戦直後にイギリスから始まった復興目的のムーブメントも、今や定番ホビーのひとつ。DIYテクニック習得を狙えるワークショップを開催しているスポットも少なからず存在する。未経験者からベテランまで、行けば必ず何かを得られるはず!
>連載「テクが手土産、日帰りDIY」を読む少しの工夫で仕上がりが段違いに美しく
黒板塗料、刷毛だけでなく、枠に塗るオイルとマスキングテープも用意すると、より完成度の高いブラックボードに。中目黒の「DIY STUDIO」が、以前開催した木材工作×黒板塗料のワークショップ。ほぼ同じ内容のレクチャーを受け、
前回はブラックボードのフレームを完成させた。次に挑むのは黒板塗料によるペインティングだ。
DIYの入門には定番と言えるほど浸透している黒板塗料。木材や壁など、平面に塗るだけでチョークの書き消しが可能になるヒットアイテムである。塗り方の基本はもちろん、キレイに仕上げるコツについて、「DIY STUDIO」を運営するフィールドガレージ代表の原直樹さんに教わった。
マスキングテープをベース部分に貼る
ベースにまでオイルが干渉してしまうと、肝心の黒板塗料がつきにくくなってしまう。マスキングテープで保護を。枠にフィニッシュオイルを塗ることからスタート。黒板部分との境にはマスキングテープを貼り、オイルがはみ出さないようにする。「フレームまで黒板塗料だと味気ない。木の風合いを活かせば、グッと映えるようになります」(原さん、以下同)。
木目に沿ってフィニッシュオイルを塗る
フィニッシュオイルは木の質感をアップさせるだけでなく、保護や防汚の役割も。完成後にチョークがついても簡単に拭き取れる。新聞紙や不要なマットなどを敷いてから、刷毛で塗り込む。「オススメはワトコオイル。扱いやすいうえ、植物性だから手についても安全なんです」。
ボロ布で枠部分を軽く拭く
拭き取りも木目に沿うのがベター。ムラはアジになるので、均一にならなくても神経質になる必要はない。木に染み込まなかったオイルを布で拭き取り、馴染ませる。比較的に早く乾くので、手早く済ませたい。完了したらマスキングテープはゴミ箱に。
黒板塗料に備え、枠の内側にマスキングテープを貼り直す
先に枠から塗るのは、油性と水性の兼ね合いから。オイル仕上げの枠には水性である黒板塗料が付きにくいのだ。黒板塗料は水性なので、オイルが塗ってある枠に付着しても拭き取るのは簡単。とはいえ、ワンランク上を目指すならマスキングテープで保護したほうが間違いない。
薄塗りを繰り返すのがポイント
黒板塗料はよく振ってから使う。また、固くて塗りにくければ水を加えるのも有効。黒板塗料をはじめは多方向にのばす感覚で塗る。最終的には一方向に統一し、筋目を揃えるように。「厚塗りの一発で済ませようとせず、薄く何回も繰り返すのがムラなく仕上げるコツです」。
慎重にマスキングテープを剥がす
テープの接着面はオイルの上からなので簡単に剥がれる。ただし、黒板塗料の固化には気をつけて。マスキングテープ自体に大した粘着力はないが、黒板塗料によって固着する可能性あり。破けると面倒なので、気を抜かず丁寧に剥がすこと。「完璧に乾いてしまうと厄介。なるべく時間を置かないでください」。
実用的でルックスまで良いブラックボードが完成
黒板塗料には黒や緑以外のカラバリも存在する。好みやインテリアに応じて選びたい。所要時間はマスキングテープ貼り付けから、わずか40分程度。木工作業と合わせても2時間足らずでフィニッシュとなった。ウッディで温もり溢れるフレームと、クール&レトロな黒板のコントラストは、単純にインテリアアイテムとしても秀逸。かつ、家族みんなが使えるコミュニケーションツールとくれば、チャレンジしない手はないでしょう!
[ショップデータ] DIY STUDIO 住所:東京都目黒区上目黒2-12-8 電話番号:03-6715-6901 営業:10:00〜17:00 定休日:日曜・ 祝日(GW休暇、夏季休暇、正月休暇)www.fg-diystudio.com/山田裕之=写真、金井幸男=取材・文