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2019.04.04

ファッション

20年前の服でも立派に今っぽく。お宝級の古着シャツでスタイリング

「お洒落であるより、格好良くありたい」と言う種市暁さんのスタイルに本誌が注目し、“種カジ”と勝手に命名して早数年。いつもパッと見の印象は無造作なのに、なぜか格好いいから不思議。そんな彼の装いの“タネ”をムリヤリ解説してもらう企画。
ーーチロリアンテープにグリーン、ベージュと華やかで新鮮ですね。いつもと雰囲気が違う……土クサい感じ?
写真家ブルース・ウェーバーが’90年代にやっていたブランドのシャツ(種市暁私物)
「フォーク調と言ってくれるかな。知り合いの古着屋で出物があったので即買いしたんです」。
ーーシャツですね。
「ウェーバービルトといって、写真家ブルース・ウェーバーが’90年代にやっていたブランド。今はなくなってしまったので、状態がいいアイテムはレア」。
ーーでも、古着らしからぬ新鮮さがあります。着こなしにもタネがありそうですが……。
「上下のバランスかな。当時らしいボクシーなシルエットを利用して今っぽさを演出。それを黒のリーバイス519で引き締める」。
ーーボトムスのスッキリ感は黒だけが理由ではないような。
「裾幅を細く直しているんですよ、実は」。
ーー芸が細かいなぁ、毎度。そして編み上げブーツとは、また珍しい。
「これは下駄箱に眠っていたラッセルモカシン。脱ぎ履きが面倒なんで紐は結ばずに」。
ーー新しいけど懐かしい? いや、懐かしいけど新しい? “渋カジ”にも通じていて親しみやすいスタイリング。よく見ればボアベストもそれっぽい。
「ただ、上質ムートンにアップグレードして適度な品は保ちました」。
ーーつまり、種さんも気分は’90年代?
「というより、変わらず好きなものを今っぽく着たいってだけ。トレンドよりも、大切なモノがある」。
ーーお! 連載も3年を超えて、ようやく出ましたね、名言が。
「コラー!」。
ーー失礼しました……。
 

ブルース・ウェーバーの伝説的ブランド! WEBERBILT
古着界でお宝級のシャツ。「雑な作りなのに味があるんですよね〜」。背面のチロリアンテープで、後ろ姿もバッチリ!
インナーダウン代わりのムートンベスト NAISSANCE
季節の変わり目は服選びも大変。そこで役立つムートンベスト。「温度調整しやすいし昔馴染みだし、実は使いやすいアイテム。品もあるので一着持っておくと便利なんです」。
何度目かのマイブーム、519のコーデュロイ LEVI’S
「定期的にはきたくなる」という種カジ的スタンダードアイテム。今は黒がお気に入りで、裾幅を19cmにリメイクしている。

紐をギューっと締めるのはヤメました RUSSELL MOCCASIN
20年前はギューっと締め上げていたブーツの紐も、今はユルッとさせて「スリッポン感覚で履いています」。靴紐のアグレット付近でひと結びして抜けないようにした工夫にも注目。
 

20年前の味を再び求めて
TOKYO BOMBAY


20年前に種さんが通っていたカレー店が千葉・柏の“ボンベイ”。一時閉店していたココが、今、恵比寿にある。「どれも当時のままの味で絶品!」というカレーとともに必ずオーダーするのがコールスローサラダ(100円)。「これだけで白メシ食えます。ココの味も懐かしくて新しい。あー、食べたくなってきた!」。
 
PROFILE
たねいちあきら●1972年生まれの46歳、東京下町出身。サーフィンを愛する海男。長年勤め上げたビームスを退社し、現在はフリーランスとしてブランドのコンサルティングやプロダクトのディレクションなどを手掛ける。種カジのこぼれネタがポストされるインスタグラム(@taneichiakira)もチェック!

山本 大=写真 髙村将司=文


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