楽しい「日“洋”品」案内
その名の通り日々の「用」をこなすための日用品。それが、日本では見られないデザインや機能を備えた“洋モノ”になると気分が上がる。男にとって日用品ってそういうもん。春の新生活に向けて集めてきました、世界の役立つ「日“洋”品」。
歯磨き、風呂、髭剃り。女性に比べてケアすることが少ない男でも、毎日必要なのがこの3つのケアではないか。
ならばこの男の3大デイリーケアでは、機能だけでなく、見た目もしっかりこだわりたい。デザインを見て一目惚れして、機能を知って納得する、そんな3つのケアアイテムを紹介しよう。
「10倍の毛が掻き出すあらゆる汚れ」
クラプロックスの歯ブラシ
スイスブランド、クラプロックスの歯ブラシは、まずそのポップな見た目にヤラれる。海外ブランドらしい色とりどりな歯ブラシは、朝の眠気もしっかり飛ばしてくれそうだ。
しかし、家庭でのセルフケア意識の非常に高いスイスで支持される理由は当然それだけにあらず。日本国内の歯ブラシは通常500本程度と言われる植毛数が、クラプロックスのこちらは5460本と10倍以上の超高密度。歯垢をしっかり取り除いてくれる。
さらにブラシ部分に使われている独自開発の「クーレン繊維」は0.1mmの超極細毛で、高密度にも関わらず磨き心地はウルトラソフト。何度も磨く前歯や奥歯も歯ぐきを傷めることなく磨ける。また、人の手に馴染む形を研究して独特の八角形の持ち手を採用するなど、細かなこだわりが満載なのだ。
オッサンだって歯が命。年齢とともに出やすくなる口の臭いや歯の着色汚れ、歯茎の後退etc.に対抗するなら、こんな歯ブラシを使ってみては?
「センスも香りもフワッと漂う」
ル べヌールのソープバー
日本で目にする海外製の石鹸などは、押し並べて女性向けのデザインのものが多い。しかしフランスの石鹸ブランド、ル ベヌールの石鹸は、髭面のオッサンがシンボルマーク。しかも作っているのもオッサンというから、それだけで共感が持てるじゃないか。
ブランドを立ち上げたファビアン・モードルは、長年ナチュラルコスメやケア用品を扱うショップに勤めながら、自身が使いたい石鹸がないことをきっかけに、石鹸作りをスタート。
男の肌に適し、人の身体にも地球環境にも良いものや、流行ではなく長く愛され続けるものを目指して研究を重ね、ほぼ手作りで作られた独自の石鹸は発売後すぐ話題となった。
その環境負荷低減へのこだわりは、パッケージにも再生可能な天然素材しか使わず、製造時の電力エネルギーも最小限に抑えるなどの徹底ぶり。
肌に優しい植物由来のオイルをベースに、ほのかな香りのエッセンシャルオイルを加えて作られた全10種類の石鹸たちは、オッサンを家族の誰よりも“意識高い系”にしてくれる。
「気持ちもサッパリする髭剃りを」
ポロラーソのシェービングクリーム
ホットタオルで肌を温め、泡立てたクリームを塗り込み、シェーバーでゆっくりと丁寧にヒゲを剃っていく。あのバーバーの感覚を家でも味わえたら、髭剃りは単なる作業ではなくなるはずだ。
イタリア国旗をデザインしたいかにもクラシカルなパッケージのこちらは、イタリア・フィレンツェで生まれたブランド、ポロラーソのシェービングクリーム。1948年から70年以上イタリアの伊達男たちに愛され、日本へは2017年に上陸した。
ブランドスタート当初から天然成分にこだわって作られているクリームには、ヤシオイルが配合され伸びもよくやわらか。少量のぬるま湯で泡立てやすく、肌の乾燥もしっかり守ってくれる。
朝、少し早めに起きて、クラシックスタイルなシェービングで1日のスタートを切る。そんな贅沢な時間は、気持ちも見た目も、“余裕ある大人”にしてくれるのだ。
「何だっていい」で選んでいると、面倒臭くなりがちな毎日の歯磨き、風呂、ひげ剃り。でも、そこで使うモノの見た目が良ければそれが楽しくなる。手に取るたびに気分も良くなる。日用品をお気に入りに変える意味って、そういうところにあるのかも。
伊藤良輔=スタイリング