海がモチーフと聞くだけで、無条件に反射してしまう。そんなカラダになっちまってるんだ。やっと春が来たってのに、もう夏が待ちきれなくてウズウズしてるから、せめて服だけでも、俺たちを楽しませてくれないか!
「ジル・サンダー」のジャケット&スカーフ
どこに海を感じるのか、という問いに関しては、英国海軍に由来するセーラースタイル、という答えでカタがつく。実際、今季コレクションは制服にインスパイアされたものが多く、まさにその文脈どおり。それでは、セーラー服を我々がおいそれと着れるか、もしくは、着たいか、となると話は別になる。
ジル・サンダーのカシミヤジャケットは、そのツボを絶妙に突いてきたデザインで、一目見て「格好いい!」と快哉を叫びたくなる1着だ。楽屋話にはなるが、今回の撮影現場でも、スタッフ一同賛辞を呈したという代物。やはり、ルーク&ルーシーのメイヤー夫妻が生み出す洗練とちょっとしたストリート感が秀でている証し。そういった点でも、今のジル・サンダーは、目が離せない存在になっている。
「ナルトトランクス」のジャケット
実直なモノづくりで地位を築いた徳島県鳴門市のサーフトランクスブランドによるコーチジャケット。着込むほどに味の出るコットン布帛を採用する。サーフの行き来に軽く羽織るのが似合いそうだ。
「サーフ イズ デッド」のTシャツ
名前からしておふざけ系のサーフブランド。サーファーにはお馴染みの“あの”ワックスを若干下ネタ方向に引っ張ったバックプリント!だって、COZY AND CASUALだなんてね〜。
「バスク イン ザ サン」のスウェット
「ひなたぼっこ」を意味する名前は、ブランドの生まれた街、ゲタリーのあるフランス・バスク地方とのダブルミーニング。よく見るとスケートのデッキに帆がついた船! 海×ストリートな遊び心もカタチに。
「SSZ」のパーカ
色鮮やかなナイロン地に白のステッチが、レトロサーフな風情。メッシュの裏地には5つのポケットが付き、SSZらしいポケットワークも見逃せない。これさえあれば、バッグ要らずで済む。「こんなパーカがあったらいいな」を見事にカタチにする点はさすが。
「ジャクソン マティス」のTシャツ
ダンボールの表面を破くように剥がした跡をサーフラインに見立て、緻密に描かれたサーファー。アーティストTAOさんが作る「ダンボールサーファー」をプリントでリアルに再現。どことなくユーモラス。
「プレサント」のTシャツ
今やファッションの一部として日本にも定着した感のあるサーフスタイル。目新しさを追い求める向きには、北欧のサーフブランドというのはいかが。デンマークはコペンハーゲンを拠点とするサーファーたちが作るプレサントは、洗練感と少しのお茶目感がセンス良し。アメコミ調イラストになんだか脱力してしまう。
渡辺修身、鈴木泰之、蜂谷晢実、高橋絵里奈(清水写真事務所)、比嘉研一郎=写真 星 光彦、来田拓也、松田有記=スタイリング 髙村将司、いくら直幸、今野 壘=文