朝、いつもより遅く出かける日に「まだいたの?」「なんでいるの?」
「家の近くの仕事先に直行だったので朝ゆっくりしていたら『なんでいるの?』と言われました」(40歳)
「仕事でアポイント先に直行だった日、いつもより遅く出ても間に合いそうだったので家にいたら『まだいたの?』と言われてショック」(42歳)
いつもは8時前には家を出ている夫が、ごくたまに、営業先に直行するなどの理由から9時や10時頃まで、家でのんびり過ごしているという状況。そうやって、ソファでダラダラしていたときに妻から浴びせられるのが「まだいたの?」「なんでいるの?」のひと言。
「こう思ってしまうこと、ありますよね。毎日だいたい決まった流れで家事をこなしていくのに、いつもは8時には家を出る夫に9時や10時まで自宅でダラダラされると、こっちの仕事のペースが狂うんです。おまけに、お茶飲みたいとか、新聞とってとか言われると仕事が中断しますし……」(8歳、5歳、2歳のママ)。
専業主婦の妻にとっては、家庭は職場みたいなもの。例えば、この状況を会社に置き換えると、普段は6時には帰る上司が、なぜだか夜遅くまで残っている、というような感じでしょうか。そういうときは自分の作業に集中できないという感覚に似ています。
また、主婦業は365日休みというものがありません。しかも家事って、真面目にやろうとすると、かなりの重労働。そんな主婦にとっては、夫が仕事に出かけて、その日の午前中の家事をこなし、空いた時間にひと息つくのがオフタイムと言えます。でも、そこに夫がいたら、ちょっと邪魔だなと思う気持ちも芽生えるかもしれません。そんな気持ちから、思わず「まだいたの?」と言ってしまったという可能性もあります。
「外で働くほうが大変で、主婦業はラク」などとお思いの男性もいるかもしれませんが、主婦業や子育てを本気で毎日やろうとすると、かなり重労働ですし、外で働くのと違って、成果がすぐに見えないという点で、忍耐力や精神力も必要なんです。
「仕事に出かける時間や帰宅時間くらい、好きに決めたい」と思うかもしれませんが、妻の都合もよく聞いて、意見を取り入れるのが、妻にとって理解のある夫になるためには必要なのではないでしょうか。
相馬由子=取材・文
編集者、ライター。合同会社ディライトフル代表。雑誌、ウェブ、書籍などの企画・編集・執筆を手掛ける。会社員の夫と、もうすぐ小学校に入学する娘の3人家族。ここ数年は、子育てをテーマにした仕事を数多く手掛けている。
MIYU=イラスト
ネオ・マーケティング=アンケート協力
※調査対象:35〜45歳、子持ちの既婚男性200人