かつて、まだ舗装されたサーキットがなかった1950〜’60年代、オンロード用のバイクをカスタムして泥だらけのコースを走るレースが盛んに行われた。
今はそんなワイルドでレトロ感のあるバイク=スクランブラーを街で乗る時代。クラシックなのに、なぜか新しい。そんな相棒と遠出するのも悪くないな。
「ティーティー・アンドカンパニー」のヘルメット
東京・江戸川区にあるヘルメット専門メーカー。スティーブ・マックイーンも愛用していた3/4型の「500-TX」と、映画『マッドマックス』を思い出させるフルフェイスは、レトロバイク好きが大絶賛。
「ホワイツ ブーツ」のブーツ
一生モノとの呼び声高いワークブーツの王様、“ホワイツ”の定番「セミドレス」。150年の歴史を持つアメリカ生まれの名品は、バイカーからの信頼も厚い。ステッチダウン製法によるタフな作りは悪天候にも強い。
「ベロセット」のバイク
英国車のなかでもスクランブラーの本当の格好良さを体現しているのは、ノートン、トライアンフ、BSAの御三家メーカーではなく、バーミンガムでひっそり家族経営していたベロセットだという声は多い。1971年にメーカーは消滅したが、東京・四谷にある「アディクトクローズ」では、英国からレプリカパーツを買い付け、’50〜’60年代当時のモデルを忠実に再現してくれる。無駄を削ぎ落とした単気筒。かつてこんなハンドメイドのバイクが、世界規模のレースで無敵の強さを誇っていたと考えるだけでワクワクしてくる。
「BMW」のバイク
1960年代の雰囲気を感じながら、快適なロングライドが楽しめるヘリテージモデル 「Rナインティ スクランブラー」。1169ccの水平対向2気筒エンジンと、マット感のあるシルバータンク、そして19インチのフロントホイールが胸をアツくする!
「エーシーブイエム」のブルゾンと
「アクネ ストゥディオズ」のライダーズジャケット
[上]レーシングジャケットとミリタリーウェアに由来するデッキジャケットを掛け合わせたボアブルゾン。ボアはアルパカ混ウールで体温を逃がしにくく、スクランブラーに跨るならドンピシャの雰囲気だ。もちろんバイクに乗らない日の街着としても言うことなし!
[下]レトロなバイクには、味のあるライダーズが似合う。カラーレザーもいいけれど、本命はタバコブラウンのスエード。しかも街乗りにマッチする軽さを出すなら、柔らかなゴートレザーを。着込んで味を出せばさらにいい。
「ネイバーフッド」×「ポーター」のベスト
ファッションとバイクカルチャーとのクロスオーバーを語るうえで欠かせないネイバーフッドと、日本が誇るラゲージブランド、ポーターとのコラボレーションで作られたタクティカルベスト。シンプルなデザインにして容量がある立体ポケットとストラップ部分リフレクターで、ツーリング時の最強の装備になる。
「ラフ アンド ラゲッド」のパンツ
某有名ワークパンツだと、シートに跨るときの“突っ張り感”が気になるという、バイカーたちのリアルな声を反映して作った、あのシルエットのストレッチ入り。ウエストに備えたシューレースとワッペンも秀逸。スケーター諸君にもオススメだ。
「デウス エクス マキナ」×「100%ゴーグル」のゴーグル
1970年代にカリフォルニア南東部の街、バーストゥの砂漠で行われたバイクレースから着想を得て、“デウス”とのコラボで作られたリミテッドモデル。モトクロスシーンで絶大な信頼を得るブランドらしい大ぶりなレンズのクラシックデザインは、視界が広く運転もしやすい。
鈴木泰之=写真 遠藤 寛=スタイリング 川瀬拓郎、長谷川茂雄=編集・文