動画や音楽配信も利用可能。エンタメ系の性能も問題なし
プライベート用のマシンとして使うなら、エンタメ系サービスやアプリの対応状況も気になるはず。こちらに関しても、クロームブックがほかのOS搭載PCに比べ劣っているところは、ほとんどなかった。
Googleが提供するOSとブラウザなので、当然Youtubeは問題なく視聴できるし、Amazon Musicのような他社の音楽配信サービスもブラウザはもちろん、別途インストールしたAndroid用のアプリからも利用できた。
低価格なことから、処理速度に不安を感じる人も多いだろうが、今回試用した「C423NA」を使ってみた限りでは、動作に大きなもたつきを感じることはなかった。
そもそもChrome OSは、低性能なPCでも快適に動作するように設計されているため、他のクロームブックでも、よほどハードな使い方をしない限りストレスを感じることは少ないのではないだろうか。
個人向けならメインマシンとして十二分。周辺機器の対応状況には注意
このように費用対効果の高いクロームブックだが、当然不得意な分野もある。例えば、ハードウェアの性能が低く抑えられているため、複雑な画像処理や動画の編集には不向き。3Dを駆使するようなタイプのゲームも、おそらく快適には動作ないだろう。また、周辺機器の中にはクロームブックに対応していない製品が多い点にも注意が必要だ。
ざっくりまとめておくと、クロームブックはいわゆる「プロ向け」の用途には不向きだが、個人向けのPCとしてはかなり魅力的な存在と言える。ビジネス用としても、外出先で使うサブマシン程度の位置付けなら、十分な戦力になるだろう。
例えば今回試用した「C423NA」の場合は、画面を180度開けるようになっているため商談にも便利なほか、オーディオも高音質というように、低価格ながらハード面も工夫がこらされている。Window搭載ノートPCでも、10万円超が標準となりつつある昨今、手軽に買えて、しかも使い勝手の良いマシンを探しているなら、クロームブックも視野に入れてみてはいかがだろうか。
石井敏郎=文