冬の“主役”だからこそ、その選択に妥協はできない。だからファッションに関わるプロに聞いてみた、今本当に選ばれている、ダウンジャケットとコートのこと。どんなモデルが使えるのか、どう着れば良いか? 彼らの口から出た言葉は僕らの明日への金言だ。
「ファースト ダウン」のダウンジャケット
&「バブアー×ジャーナル スタンダード レリューム」のコート
ジャーナル スタンダード レリューム バイヤー松尾忠尚さん Age 43
バイヤーを務める松尾さんがセレクトした売れ筋のダウンジャケット&コートは、ともに今どきなシルエットとサイズ感が特徴。
「リバーシブルで使えるダウンジャケットは、しっかり詰まったボリューム感と、ブラックの面に配したロゴ入りテープが、まさに’90年代風。僕はキャップとルーズシルエットのパンツを合わせ、当時のストリートの空気感を漂うスタイルにまとめてみました」。
色数を抑えて大人らしくまとめるのが松尾さんの好みで、それはコートでも同様。バブアーの別注コートは、ややオーバーサイズでAラインのシルエットを描く。
「身幅が広いので、この様にインナーダウンや厚手のニットなどを挟むことが可能。汎用性の高さで支持されています」。シンプルなデザインながら、光沢のある生地感、コーデュロイ生地の襟も着こなしにスパイスを加えてくれる。
「ディーゼル」のダウンコート&コート
ディーゼル青山 ショップマネージャー
中村元洋さん Age 45
「最近、休日は息子と野球をするのがお決まりで、動きやすさ重視の格好ばかりです」。そう話してくれた中村さんは、ストリートライクなダウンコートも、やはりスポーティに着こなす。
「ディーゼルらしい遊び心を感じさせる配色で、迫力のあるビッグシルエット。メリハリをつけるために、スリムなスウェットパンツなどを合わせるといいです」。
そのカジュアルな雰囲気とは一変、上質なウール素材で仕上げたヘリンボーン素材のチェスターコートは、かなりモード寄りなデザイン。高級感漂う質感と大胆に切りっぱなした裾のディテールの織りなすギャップがニクい限り。
普段スポーティな装いの中村さんの着こなしは 「上から下までブラックで統一し、インナーにはシングルのライダーズジャケットで遊び心をプラス。素材感の違いが着こなしに奥行きをもたらしてくれます」。
「デサント オルテライン」のダウンジャケット
&「デサント ポーズ」のコート
デサントブラン ディレクター
植木宣博さん Age 45
カジュアルなダウンジャケットにはセットアップを、端正なコートにはポップなキャップを。一見ミスマッチ、しかし、むしろセンス良く映える植木さんの着こなし。「昔からキメすぎな格好がどうも気恥ずかしい。きっとキャラに合ってないと思うんです(笑)」。
チョイスしたダウンは、日本国内で作られる人気の“水沢ダウン”。「スッキリ見えて暖かい。おまけに熱接着ノンキルト加工とシームテープ加工により、防水性の高さもうれしい点です」。
トレンチコートはオーラリーのデザイナー、岩井良太氏が手掛けるデサント ポーズの1着だ。ドレッシーかつ王道デザインゆえ、決して流行に左右されないのが強み。
「東レが開発したラミネート素材、ダーミザクスを採用しているため、防水性・透湿性の高さはピカイチ。私なら襟まで留めて本来のコートの美しさを強調させますね」。
「ニードルズ」のダウンジャケット
&「エンジニアド ガーメンツ」のコート
ネペンテス 東京 スタッフ
小倉夕季さん Age 33
どちらも黒を主役にし、立体感のある小倉さんの着こなし。「実は重ね着が好きで、一時期はトップスを8枚も重ねていたこともありました(笑)」。今でこそ少なくなったとはいえ、その嗜好は変わらない。
「柄物が苦手な人でも、無地感覚で着られる」と紹介してくれたのは、同系色のレオパード柄のダウン。そこにベロア素材のインナーと首に巻いたシルクスカーフでさらに色気をプラスした。
一方のコートはレオパード柄のファーと黒地コットンのリバーシブル仕様で、小倉さんは黒の面がお気に入り。「柄の面積が絶妙だと思いました。胸元が大きく開くのでレイヤードしても映えるんですよ」。
裾がフリンジになったカーディガンとワインレッドの柄ストールというクセの強いアイテムをチョイスしたが、小倉さんの手にかかればこのとおり。決して浮かず、品すら漂う仕上がりに。