着る人が限られる? 高身長じゃないと無理? されど昨今トレンド上位にもランクインしている「ロングコート」と「ワイドパンツ」。この曲者アイテムを料理するべく、人気4セレクトショップの身長差コンビが立ち上がった。自分らしく、そしてすっきりと仕上げたプロの技をとくとご覧あれ。
今回は「ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ」の身長差コンビ
身長165cm
ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ メンズバイヤー
青谷克也さん Age 38
スケートブランドのスウェットシャツに羽織った、分厚いウールのクラシカルなステンカラーコート。これぞ大人のストリートと言わんばかりのこなれ感だが、実は青谷さんがロングコートを着るようになったのはここ最近のことだ。
「やっぱり上背のせいで、どうしても抵抗があったんですよ。でも、ビッグシルエットが定着した今は、驚くほどすんなり馴染めましたね。直線的な縦のラインで、すっきり感もアップさせてます」。
一方のパンツは腰がゆったり、裾はキュッと絞ったシルエット。「裾まで全部ルーズだと僕の場合、顔のイカツさもあってヤンキーみたいになっちゃって(笑)」。英国調のチェック柄に合わせたバーガンディのニットはカシミヤ製で、さらに印象も和らいでいる。
「背が高くないので、その分シルエットでカバーする楽しさを知れたと思います。今でこそ、自分の身長を気にすることはほとんど無くなったけど、若い頃はセンシティブな問題でしたね。もし身長があと10cm高かったら、僕はこの仕事をやってないんじゃないかな(笑)」。
身長186cm
ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ丸の内店 スタッフ
松下 光さん Age 32
「クラシックなデザインだけど、さりげなくグレンチェックの柄が利いてたり、大きめな形だったり、今っぽくアレンジされているのに惹かれました」というダッフルコートを、黒一色のスタイルに合わせた松下さん。
前開きで、持ち前の縦長体形を活かしつつ、ゆったりとしたシルエットで抜け感も持たせているあたりはさすが。「もともとカジュアル畑で育ったので」という遍歴が垣間見える足元のデッキシューズは、オールブラックのカスタムオーダーでひとヒネリ加えた。
ワイドパンツに合わせたMA-1も、モダンなルーズさにアレンジされたコラボモデルだ。「パンツはウールべースで、腰回りがすっきりしたパターンがブルゾンに合うんです」。
長身と物腰の柔らかさはともするとコンサバに寄りすぎてしまいそうだが、そんな随所の工夫によって品は良くもカジュアルさをちゃんと残しているのがお見事だ。