着る人が限られる? 高身長じゃないと無理? されど昨今トレンド上位にもランクインしている「ロングコート」と「ワイドパンツ」。この曲者アイテムを料理するべく、人気4セレクトショップの身長差コンビが立ち上がった。自分らしく、そしてすっきりと仕上げたプロの技をとくとご覧あれ。
身長168cm
ロンハーマン プレス
福本宏二さん Age 30「実はコートを着ることに抵抗があるんですよ」と語る福本さん。もともとブラックミュージックからファッションに興味を持ったそうで、今も昔もゆったりとしたカジュアルウェアが自身のスタンダードなのだそう。それでも食指が動いたというこのコート、理由はその背景にある。
「アメリカの老舗とのコラボだし、ツイード×ベロアの質感にも“黒い”ムードをすごく感じるんです」。往年のジャズマンよろしく、やや太めのスラックスの合わせ方は、身長の高さに左右されない個性を活かしたスタイルへと昇華させている。
そして、ディッキーズの874を軸にしたワイドパンツのコーデ。「これはクリースのない別注版。太すぎないゆとりがちょうどいいんです」。合わせたダウンは、丈が長めのレトロなスタイル。上下の程良いボリューム感と、茶×黒の落ち着いた色合いでシックに見せているあたりもニクい。
身長178cm
ロンハーマン アシスタントバイヤー
江口大輔さん Age 37
「体型的に、丈が長いもののほうが着やすいですね。例えば古着のGジャンとか、すごく好きだけど、あの短丈がどうにもしっくりこないんですよ」。しかし、それでも太めのパンツにはショート丈を積極的に合わせるとのこと。その落としどころはこうだ。
「タイトにならない、身幅のあるもの。これがいちばんワイドパンツには合う気がします。フリースは力も抜けて見えて、ちょうどいいアイテムですね」。一見すると武骨な古着のペインターパンツだが、確かにその着こなしはリラックスして見える。
「コートもそうです。着心地が良いことがまず大事。これはカシミヤ製で、インナーはサーマルだけ。暖かいし、すごく気持ちいいですよ」。サーファーらしい自然体と、すらっとした痩身にはそんなスタイルがよく似合う。「この肌でエッジの利いたコートだと、歌舞伎町っぽくなるから、それだけは気をつけてます(笑)」。